社員通信

新たな火種となり得るか?

先週10月13日の金曜日から、
既に頭が重い展開だった東京株式市場は、
今週初の16日に下落を強めましたね。

ところで、
10月7日に突如として勃発した
イスラエルとパレスチナの軍事対立は、

その後の各相場の値動きを見る限り
当初の市場は冷静に受け止めていたようです。

しかし実際は、
やり過ぎという声が聞こえるほど、
イスラエルの報復は激しかった模様で、

勃発から1週間が経過した先週末、
イスラエルが地上戦に踏み込む姿勢を見せたことで
事態が深刻化するかもしれない懸念から、

週明けの10月16日、相場が急落するに至った…
という感じでしょうか。

※YouTube版10月15日の日テレNEWS24よりキャプチャー

さて、
歴史的に続く中東の小競り合いは、
その背景が非常に複雑で、昔から個人的には、
あまり踏み込みたくない分野なのですが、

今回は少しだけ調べてみました。

調べようとしたきっかけは、
最初に不意打ちを仕掛けた最貧国とも言われる
パレスチナ(のガザ地区)が
なぜあのような武器武装が可能だったか?
と思ったからです。

しかし、
民族や宗教から見た解説は豊富でしたが、
特に今回の軍事面の構図に辿りつくのには
苦労した中で、

今現在も続くウクライナ戦争で目にする
ロシア、中国、イランがパレスチナ側と
深く関わっていることが判ってきました。

ただ、
それらの情報も、正誤すら定かではなく、
その量も膨大で整理しきれていないことから、

宗教や民族の側面以外で、
自分が腑に落ちた軍事的な大枠だけをお伝えします。

 
結果から言いますと、

パレスチナ自治区ガザの軍備背景には
イランという名前がありました。

確かにウクライナ戦争でロシアから飛んでくる
最近の兵器はイラン製が多いという印象から先ず、
イランとロシアがつながりました。

では、なぜイランがパレスチナのガザ地区に
軍事支援をしているか?についてですが、

そもそもイスラエルとパレスチナは敵対関係にあり
イスラエルは欧米と良好な関係にある中で、

周知のとおりアメリカとイランは犬猿の仲ですから、
イランとしてはイスラエルと敵対するパレスチナに
武器弾薬を供与することに迷いはないでしょう。

また、ウクライナ戦争でウクライナを支援する欧米に
苦慮しているロシアにとってもイランの選択は大歓迎
に違いありませんね。

 
ところで、
少し前のニュースとして
中国がイランの仲介でサウジアラビアと国交を樹立した
というやや意外な報道がありました。

実は、イランがアメリカの経済制裁を受けている間、
イランは中国と自由に貿易ができ、

イランは中国との関係なしに苦境を耐えられなかった、
とも言われているらしく

中国はこうした背景を利用して
着々と中東にも関係を築いているようなのです。

これでイランと中国がつながりました。

 
つまりウクライナ戦争を通じて
「悪人」として名前が挙がるロシア、中国、イランは
今回の中東紛争でも同盟している構図が浮かび上がり、

欧米を代表するアメリカが敵対するイランの武器弾薬が
イスラエルと敵対するパレスチナのガザ地区に流れていた…
という点が、個人的には腑に落ちたという訳です。

武器弾薬について中露の関与は今のところ不明ですが、

ロシアにとっては、今回の紛争で中東が揺れ
原油市場が不安定になれば欧米が不安定になり、

また、欧米の支援対象がウクライナに次いで2つになれば
ウクライナ支援も不安定になり得るメリットがあります。

残る中国には、市場より安価なロシアの原油を
安定的に購入できるメリットがあり、欧米の不安定は
米中の経済戦争にとっても、メリットがありそうです。

残るは何故、今なのか?

という疑問ですが、真相はこれからであり、
いずれ明らかになるのでしょう。

浅野敏郎

P.S.
最後に少しだけドル円相場のお話をします。

前回の投稿では、
10月3日にドル円相場が一時、大幅に急落しましたが、
その後の騰落について、個人的な判断方法を述べました。

その矢先の10月5日の朝には半値を割り込み、
以降は幾度か上下した後、再び急落前の高値に迫る展開です。

この揉み合いステージの判断目安について、

大幅に振られた相場の半値は、
その後の勢いの材料になることに加えて、

トレンド相場にも、調整と言う押しや戻しがあるように
半値を中心に調整、つまり上下に揉み合い、

半値以上で推移した値幅と半値以下で推移する値幅は
概ね一致しやすい傾向があります。

要するに、乱高下する揉み合い足の実体部が、
足の中心部分に集まりやすいのは、この傾向を証明しています。

※TradingView社のチャートで、ドル円1時間足を表示

また、今回の揉み合いは、半値を中心とした揉み合い値幅が、
上域より下域の方が狭いことから、
目先の勢いは上昇が終始優勢のまま現在に至っている
とも判断できるでしょう。
(この見方は概ね、一目均衡表の値幅観測によるものです。)

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