つんくさんは、
シャ乱Qというバンドのメインボーカリストで、
「シングルベッド」や「ズルい女」などの大ヒット曲を生み、
女子ボーカルユニットのモーニング娘を
プロデュースするなどで著名でしたが、
数年前に発覚した咽頭がんを克服するために声帯を摘出し、
命と引き換えに、もう一つの命にも匹敵する
大切な声を失ったことは、皆さんもご存じかと思います。
そんなつんくさんが先日、NHKの夕方のニュースで
特集されていました。
※つんく♂さんオフィシャルサイトのトップページをキャプチャー
当番組の主旨は確か、障がい者支援の一環として
命と同じほど大切だった声を失った経験を通じて学んだ
生き方などを講演する活動を紹介するものでしたが、
その中で、人生や進路に悩む若者たちと
質疑応答をしているシーンがあり、
つんくさんの持論がいくつか紹介されていました。
今回はその中で、とても共感した言葉を取り上げて
特に投資を学ぶ際にも通用する最も重要な心構えを
再確認してみたいと思います。
詳細な質問内容に対する私の記憶は曖昧ですが、
ボーカリストの命とも言える声を失っても尚、
プロフェッショナルとして活躍できている秘訣
のような質問を受けて、つんくさんは、
「プロとは経験値を増やすこと」であり、
経験値を増やすために
「大事なのは続けること」
と答えていました。
皆さんが投資を学ぶ最大の目的はもちろん、
投資で収益を得ることだと思います。
(投資と投機は異なる点があると認識しているので
ここからは投資の代わりに投機と言います)
確かにこの世界でプロを目指しているのではない…
にしても、
投機の世界で収益を出すということは、
大なり小なりのプロであることに違いありません。
つんくさんの言葉を借りて言い直せばつまり、
『投機で少しでも収益を出したいのであれば、
投機の経験を増やし、失敗しても続けて挑戦すること』
といった感じでしょうか。
そこで、特に初心者の方々にとって障壁となるのが
『失敗しても…』の部分かと想像しますが、
ここで言う失敗は、具体的に損失だと思うのですが、
どうでしょう?
この部分に関しては多くの先生方の教えにあるように
初めは小さな額で挑戦し、経験値を高めることで
多くは解決できます。
ただし、その失敗はなぜ起きたのかをしっかりと学ぶ
ことで初めて経験値として積み上がります。
そして、つぎの挑戦ではこの経験値を活かして、
失敗した原因を避けるように努める訳です。
ここを怠ると、この挑戦は単に宝くじを買うのと等しく
回数だけ増えて金銭を浪費するばかりか、
経験としては何も積み上がりません。
もちろん、資金には限界があるため、
例え1度の損失が5万円でも、10回続けて失敗すれば
50万円が消失するため、
もし50万円の資金でこうした状況が怖いのであれば、
例えば、一度の挑戦による失敗は5千円などに落とすべきで、
それでも10回続けて失敗するようなら、
デモ取引や仮想売買(暗号資産でという意味ではありません)で
真剣に取り組み、自身のエラーを探すことでも良いでしょう。
この際に必要なことは、売買の動機を明確にすることで、
後々、自分の行動を分析する際のキーになることが多いです。
この意味でも経験値を増やすということは
実際に金銭をつぎ込むトレード回数を増やすだけではなく、
真剣に取り組み、そこから学びを得る回数を増やす事
でもあると思います。
最後に、つんくさんは続かない方に対して
「続けるためには好きになること」
と付け加えていました。
さて、そこにいらっしゃる続かない方々へ(失礼!)、
皆さんは相場投機(トレード)することを
好きですか?
楽しんでいますか?
5連敗したとき、
全部、逆をトレードしていれば全勝していた事実の奇妙さに
怒るのではなく、不思議になって苦笑してますか?
ゴルフ好きの方々へ、
言われた通りのクラブを一式買い揃えさえすれば、
1週間でシングルになれるスポーツだったら
ゴルフが好きでいられますか?
個人的にはどれも、思ったようにいかないからこそ面白い…
と思っています。
浅野敏郎