6月最初の投稿になります。
昨日の関東地方は1日中しとしと雨が降り、いよいよ梅雨入りを予感させる降り方でした。
このところ日々の寒暖差が大きく、暖房と冷房を入れ代わり立ち代わり切り替える日々が続きますが、皆様もどうか体調にはご留意ください。
さて、前回の投稿の終わりに追記として、小泉氏が新たに農水大臣に任命されたことをお伝えしましたので、あの日が新大臣としての誕生日になった訳ですが以降ここまでの半月間、
かなりのスピード感をもって備蓄米を、随意契約という形で小売り業者へ直接落札するという荒業に出て、米価を落ち着かせようとしている努力が見えています。
※出処はあの「いらすとや」さんです、いつもお世話になっております
当初は2000円台で、といっていた価格がいつの間にか2000円で…となり、その価格で強行した訳ですが、先ずは後先を考えずにひっ迫感を解消するのが目的だとすれば、言う通り一理ある作戦だったかもしれませんが、
放出した備蓄米の量はあまりに少なく、残りもあと半分に近づいている中(確か備蓄米は100万トンだったとの記憶があります)、実弾が底を突いた後はどうするのかや、最近はそれなりに目にする4000円台のブランド米ならば十分な供給量があるのかどうか、も気になります。
そもそもブランド米が何故、何処へ消えたかは依然として謎のままですが、備蓄米に注目が集まり過ぎていることをいいことに、追及の視線逃れをしているように見えなくもなく、両輪で進めない限りそもそものひっ迫感は解消できないのではないかと思われ、ゼロスタート大臣であるがために、ノープランでもパフォーマンスを優先しているだけではないことを祈ります。
備蓄米の話題が長期化するにつれ、生産者側の採算に見合う価格は5キロあたり3500円~4000円という具体的な数値が見え始めており、2000円台だった1年前が安過ぎた構図が浮かび上がっています。
一方で生産者が言う適正価格は、どの時点の価格かは不透明ではあるものの、例えば3500円が卸売り価格とした場合、輸送、保管、精米などに掛かるコストに加えて各利益を上乗せすれば、逆に現在のブランド米小売り価格である4500円前後は、自然な価格にも見えてきます。
要は多少は高くても、いつでも買える環境であれば、例えば安価な備蓄米や輸入米は食べ盛りのご家庭や経済的に厳しい方に譲り、生産者を応援する意味も込めて高いおコメでも仕方ない…と思える状況が、一番美しい落としどころなのかもしれませんね。
さてさて本題ですが、
少し前の4月16日に、ドル円相場の現状分析をしてみましたが、それからもう一か月以上が経過しましたので、結果などを交えながら改めて現状把握をしたいと思います。
先ずは結果について、前回挙げたS/Rが一体、機能したかどうかを見てみましょう。
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
これはドル円4時間足ですが、指マークで示した4月16日19:00以降のチャートに、先日まとめたS/Rで値動きに該当した一部を表示しました。
「将来の目標価格は判らない」と言われるのが一般的な中で、眉唾かも知れませんが、ある程度の将来的な目標価格は示せたように見えるのでは?と思います。
一方で「値動き」つまり、幾らを付けた後は上げるのか下げるのかまでは分からないのは確かで、例えばR4を付けた後、更に上げるのか、それとも下へ切り返すのかは、なってみて初めて分かる訳です。
だとしても、続伸するならR5が次の目標であり、切り返すなら先ずはR3まで、といったシナリオは予め立てることができ、こうしたマイルストーン(目安)が有るのと無いのとでは、実際にそうなった際の対応力が全く異なります。
もちろん、いくらマイルストーンがあったとしても、そこまで微妙に辿り着かなかったり、多少は行き過ぎてしまうことはありますから、前後の判断は難しいところですが、
それぞれの場面場面での「続伸」や「反落」といった判断は、間違いなく自分で下したものなので、例え失敗しても「騙された」といった他力本願的な感覚を持つことなく、次の展開に切り替えることが比較的容易かと思われ、それこそオシレーターなどを併用すれば、その確度を上げることも充分可能かと思います。
では次に現状把握を月足から。
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
4月に付けた安値は、歪な三尊*のネックラインで下げ止まり、5月の反発につながりましたが、結局は長い上ヒゲを付けて4月の内ハラミで終わったことで、現状では方向感を失っている形です。
(*暫く続いた上昇相場の天井圏で出来た三尊とは意味が違い、ここでは単に形状だけを指しています)
23年終盤から現在も続く高値波乱の中で、大雑把に把握できるレンジとして140.00~152.00を考えた場合、その半値である146.00水準より低い現状はショートが有利な状況にあり、戻しの限界は146円水準といったアイデアが浮かびます。
週足は、
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
ちょうど先週の5月最終週高値146.28が月足レンジの半値戻しを確認した格好にも見え、それが今週の微妙な陰線に影響している可能性はあります。
直近の最大波動はS2からR4までの上昇波動ですが、その半値である144.265はこの波動における騰落分岐水準と考えられるため、現在の143円台はショート有利ではありますが、今週はまだ2日しか経過していないこともあって先週足の内に孕んでいる現状は、明確な方向性は確認できず、いつでも144円台前半までの反発はあってもおかしくない状況です。
日足を見ると、
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
指マークを付けた3月28日の戻り高値151.21からS2までの下落波動が直近の最大波動になっており、そのレンジの中で推移している以上は、この高値安値を越えない限りトレンド判定は難しく、トレードには直接活かせない現況ではありますが、細かい揉み合い波動を調べてみると、
① 最大波動を基準に考えた半値は145.55
② 次のS2からR4までの上昇波動を考えた半値は144.26
③ 次のR4からS1までの下落波動の半値は145.38
④ 次のS1からR2までの上昇波動の半値は144.20
となりますから、ザックリと145.45水準と144.20水準が目先の戻り目安になりそうです。
実は昨日3日21:15時点の143.20水準はいずれも下回っていたことからショートが有利な局面でしたが、その後の相場は一段の上昇となり、144.108の高値を付けて現在に至っており早速、144.20前後のキーレベルが試されている状況です。
昨日3日高値の意義が今のところはっきりせず、一部ロングの利食いタイミングではあるものの、直ぐにショートを取るべきかどうかは判断に苦しむところであり、このまま安値へと切り返すようだと、再度下値を模索する可能性が指摘できます。
総括として、
前回の分析時点では、年初来の下落トレンドに曇りが無かった事から、ショート目線が強かったわけですが、その後に139円台を付けた以降の反発が高過ぎたことで、下落圧力がある程度中和されたのは事実です。
暫くはこのまま安値保ち合いをすると思いますが、4月16日に公開したS/Rに特に変更はなく、今回の日足把握で、新たに2つのキーレベルが加わったと考えておきます。
浅野敏郎
P.S.
本邦の政治を見てみるに、相変わらず与党壊しに専念している野党が一層勢い付き、衆参同時選挙の懸念さえ見えてきている状況の中、為替市場は日本人から見ると意外な程に政治不安を反映する場合が多々あり、昨日3日の反発の一因になっている可能性はあり得ます。
昨今のコストインフレは明らかに円安が一要因であるにも関わらず、今の野党はこのタイミングであえて円安に向かわせる姿勢を見せているのは如何なものかとも思え、
せっかく中国への関税大幅低減と、関税違法判決を受けたドルの急騰をしのいで、なお円高局面である今、あえて自ら円安相場を演出する意義を野党の面々に問いたい気もしています。