社員通信

2023年の世界的リスク

ニューイヤーの1月も、はや三分のニが経過しました。

皆さんは今年の投資計画を既に立て、目標に向かって
一歩ずつでも進まれていることと思いますが、

もしまだ暗中模索の状態である方々がおられましたら
参考にしていただいては如何だろうかというテーマを
お届けします。

 
実は先週20日まで、スイスのダボスというリゾート地で
世界経済フォーラムなるものが開催されていました。

※note.comサイトよりキャプチャー

いわゆるダボス会議と呼ばれているイベントで、
例年であれば非常に注目されるところなのですが、

今回はロシアのウクライナ侵攻という世界を揺るがす
事態となって初めてのフォーラムだったためか、
インパクトは今一つだったような気もしています。

もしかすると本音は、
「この野蛮な行為につぎ込まれたパワーとマネーがあれば
問題の一つでもおおきく前進できただろうに…」
といった無力感があったのかもしれないですね。

 
ところで、この会議に国際政治学者のイアン・ブレマー氏が
出席していたようですがこの方、
毎年、年頭に発表される当年の世界10大リスクというレポート
の発行元である、ユーラシア・グループの社長でもあります。

※Amazonよりキャプチャー

彼が出演したセッションは、

欧州中央時間17日の08:00枠の一つ
「脱グローバル化か再グローバル化か」にありましたので
興味がある方はURLをコピーして辿ってみてください。(下のURLはリンクを切っています)
https://www.weforum.org/events/world-economic-forum-annual-meeting-2023/programme

※世界経済フォーラムのWebサイト(ただし、英語での討論会です汗)

 
話を戻して、今年2023年の「世界10大リスク」については、
日本貿易振興機構(JETRO)のビジネス短信
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/01/a55e7ea2e9c91785.html
で詳細を知ることができますが、

※本文冒頭にある添付資料がそのレポートです。恐らく本物の完全日本語版かもしれません

あえてここに再掲致しますと、1位から順番に、

1ならず者国家ロシア
2「絶対権力者」習近平
3「大混乱生成兵器」
4インフレショック
5追いつめられるイラン
6エネルギー危機
7世界的発展の急停止
8分断国家アメリカ
9TikTokなZ世代
10逼迫する水問題

となっています。

3番目の「大混乱生成兵器」とはどんなリスクか、
比較的なじみが薄いタイトルですが、

主にAIの事を指しており、このタイトルそのものが
実はAIによって生成された語句なのだそうです。

この問題については、ロシアのウクライナ侵攻でも
稀に取り上げられていましたが、

高度なフェークニュースなどがAIによって簡単に作られ
世論を操り、陰謀に巻き込むことで

本来であれば、少数で世間的には支持されない組織や
思想、或いは犯罪組織までもが、表舞台をけん引しかねない
といった類のリスクだそうです。

 
台湾危機やEUの足並みの乱れについては
10大リスクには入っていませんでしたが、

「リスクもどき」
という枠が、10大リスクに続いて設けられており、
その中で解説されています。

ちなみにこの枠では、

・ウクライナ支援に亀裂
・機能不全化するEU
・台湾危機
・米中の産業技術報復合戦

が掲げられていましたが、どちらかと言えば
暫くは悪化しない或いは、回避可能なシナリオが
この「リスクもどき」にまとまっている印象ですが、

10大リスクの派生リスクという立ち位置もあり、
こちらが解消されない限り常にくすぶり続けるテーマ
なのでしょう。

 
2023年、皆さんはどんな市場を中心に投資やトレードを
考えているのかは百人百様だと思いますが、

これらのリスクと関係が深そうな投資には、
充分な注意を払う必要がありそうですし、
このレポートからは、その際の細かい因子(ファクター)を
具体的に把握できると思います。

お仕舞いにこのレポートは、次のように締めくくっています。

 
「リポート作成に当たり、世界がどこへ向かうのか、などと
難しく考えないようにした。
重要なのは、どう予測するかではない。
現在の世界がどうなっているのか、本当にそうなのか
正しく理解すれば、

将来がどうなるかを、どんな占い師の水晶玉よりも
明確にとらえることができる。

その過程で、
世界だけでなく自分自身についても学ぶことができる。
私たちはどのような偏見をもっているか? 
知っていると思い込んでいるだけで、実は知らないことは何か? 
そして、何が自分たちを間違った方向に向かわせるか?」

是非、今後の参考にレポート全体を一読されることを
おススメいたします。

 
 
浅野敏郎

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