本格的にお盆休暇が明け、残暑のお見舞いを申し上げる時節柄ですが、余りの酷暑に日中はただ太陽が過ぎ去るのを待つような日々が続いています。
高校野球も昨日、横浜高校が惜敗してしまい、私にとって真夏の一つの楽しみが終わってしまったのですが、人類にとって危険な炎天の下で、長時間に渡り熱戦を繰り広げている全選手たちの精神力には改めて頭が下がる思いです。
※NHK NEWSWEBサイトの当該ページ(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250819/k10014897691000.html)の一部をキャプチャー。壮絶な試合、本当にお疲れ様でした!!
春と夏の甲子園大会を筆頭に、1年を通じて各地では幾度かの地方大会があり、日ごろの練習で積み上げた努力と経験をこうした僅かな機会に全てをぶつける訳ですが、試合の時間をON、それ以外の時間をOFFとした場合、練習が含まれるOFFの時間は必ず存在し且つ重要であることは概ね間違いなく、この構図はスポーツに限らず我々が対峙している相場に対しても、エントリーからイグジットまでのONに備えてOFFの時間を如何にコントロールするかが重要だとも言えそうです。
さて、本題に入る前に一言だけ。
相場に関してはここ2か月、自身が方向性を見いだせない迷子状態であることはこのブログでも幾度か吐露しました。
個人的にはこの期間をOFFであると認識し、ONに向けて無駄な体力を使う期間ではないと理解しているのですが、ある方面からご叱咤を賜りましたので、今回はその証明とONに向けての対策をまとめておきたいと思います。
では先ず月足から現在の全体像を確認します。
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
月足に一目均衡表を表示していますが、
間をピンクと薄緑で塗り潰された2本の線は先行スパン、ロウソク足に近いところで動いている線のうち、赤は基準線、水色は転換線、太い緑は遅行スパンです。
2021年10月に「三役好転*」 してから2024年7月の戻し最高値161.95円水準まで、途中で介入を挟んで上昇以降、最後の介入で9月安値まで深く「押し**」てからは、大きな値幅で「高値波乱***」を継続しています。
(1)「*三役」とは、遅行スパンと当時の価格の上下、転換線と基準線の上下、価格と先行スパンの上下の3種類を指し、上昇状態を好転、下落状態を逆転と言います。遅行スパン>価格、転換線>基準線、価格>先行スパンが好転、その逆が逆転となり、各役の序列や優劣は特に決まっていません。一本の値動きで複数の役が同方向で一斉に揃うような瞬間はその方向性が強い、とされています。
(2)「**押し」とは、上昇後の下落局面を指し、その反対は「戻し」と言います。
(3)「***高値波乱」とは、強い上昇後に高値付近で乱高下する状況を指し、トレンド継続と反転の思惑が強く交錯する際に陥りやすい値動きです。
2025年に限ると、年初の高値を最後に4月安値まで深押しし、当時は形成された「三尊****」で大崩れする懸念まで出たものの相場は切り返して今に至っています。
(4)「****三尊」とは、トリプルトップの変形で、3つある山(トップ)の中央が両側の山より高い形を指します。下値側に現れる場合は逆三尊といい、共にそれまでの大相場が反転するパターンという認識が一般的です。
各線や価格の位置関係は依然として強い状態ですが、「受動的な上昇*****」をしてきた基準線は、微妙ながら転換線を上抜いて逆転し、来月は最後の上昇で両線の間がもう少し開くことが判っています。
(5)「受動的な上昇*****」とは、対象期間の最安値が対象外になることで、2番目の安値が期間最安値となって線が上昇することを指し、下落は高値が交代して起きます。能動的と言う場合は、相場が期間内高値や安値を更新することで線が連れて動く状態を指します。一般的には能動的な騰落の方が強いとされます。
この事実だけで特に方向性を語るまでではありませんが現状、「均衡表******」の動きは受動的な時期、つまり揉み合いの期間にあり、長い目線では2024年の暴落波動の高値安値、近い目線では2025年上旬の下落波動の高値安値が方向性を語れる価格だという形です。
(6)「均衡表******」とは特に、転換線と基準線の2本に限定した呼称にもなっています。
注目はこのままでいくと9月以降、遅行スパンが当時の価格に接する可能性が高まり2019年以来、価格の上で推移してきた遅行スパンが試されることや、今月の高値をある程度伸ばさない限り転換線は10月からそれなりに受動下落を開始し、基準線との開きが更に拡大するため、相場がどう反応するかが鍵になることが判っています。
何れにしても、現在の価格である147円台中盤は、149.38円水準にある転換線、149.59円水準にある基準線、7月の戻しを抑えた150.76円、2022年高値の152円手前水準を全て割り込んでいる事実と、日銀の利上げ期待やFOMCの利下げ期待を含めると、位置関係と裏腹な下落目線にも一理あり、つまり今は格言通り「休むも相場」という状況だというのが一つの結論です。
次に週足でより詳しいイメージを確認します。
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
表示期間は2022年の初介入以降としていますが、
一般的に遅行スパンの位置が方向性を示唆しやすいとされる中、2024年の介入で歪められてからは機能していないものの一応現状は当時の価格の下で推移して下落が示唆されていることや、
先行スパンは水平気味に推移して大きな揉み合い中であることが示唆される中、現在価格はその下で推移しており、こちらも下落圧力が認められています。
しかし直近は4月下旬以降の揉み合いで、均衡表は共に受動的な動きを概ね完了し、今後ももう暫くは好転を維持できる状態に加えて、現在価格はその上にあるためある程度の上昇圧力は確認できるなど、
月足と比べると現在は多くの矛盾を抱えた状態であることが判りやすくなっており、つまりは多くの矛盾を抱えている限りは揉み合いと判断するのが妥当だということです。
今後の週足の長期的な目線は、今年の安値と8月初の戻り高値が鍵となる中、短期的には7月の上昇波動の起点安値142.68円水準と高値150.92円水準が鍵となるため、この2つの波動と現状価格の位置を見ていくことになります。
実は2021年3月に3役好転を完了して以降今年に入るまでに、価格が先行スパンの下で終わったのは、24年の介入に端を発した下落の終点に近い9月9日週のみだったところ、今年は2月17日週に下で終わって以降、逆に上で引けたことが無いこと自体が潮目の変化と捉え、個人的には下落圧力が優勢と目論んでいます。
ただし、この目論見が否定されるのは、近いところで8月下旬以降約1か月の間、2本の先行スパンが同値になる150円台後半を上に抜けた場合であり、均衡表だけ好転にある現状から、価格と遅行スパンが両方同時に好転して3役好転が実現する瞬間でもあります。
注意が必要なのは、例えこの状況が実現したとしても、152.00円水準は非常に重たい抵抗水準であり(月足でみるところの、22年10月高値、23年10月11月高値、24年3月高値)、目先として約1円程度の上値期待しか持てないないとなると、現在の目論見から目線までをもドテンできる自信はありません。
ではお仕舞いに日足です。
※Trading View社のチャートをベースに作成しました
こちらでも概ね揉み合いが中心だと確認できますが、7月の上昇でそれなりに底堅いように見えます。
ただそれは先行スパンの上で全てが推移できていることだけであって、遅行スパンと均衡表は逆転し、また7月の上昇波動の影響は基準線の対象安値が既に第三波動の起点に移ったことで半分終わっている中、この三波動全体または8月1日の米・雇用統計による下落以降の相場との見合いが焦点になっている状況です。
つまり底堅さを継続するためには先ず、三波動目の半値となる今の基準線148.38円水準または、ここまでの8月レンジの半値となる148.57円水準より上で推移する必要がありますが、現状はこれらの水準より低い位置で推移する弱い状態を数日続けており、日足でも多くの矛盾を抱えているのは事実です。
確かに値動きは結果論とも言えますが事実こうなっている以上は、暫く迷子だった自分は必然だったとも言え、瞬間の値動きでしかチャンスが無い今の相場付きは、個人的にはOFF期間の「休むも相場」に該当していたという訳です。
もっと言えば実は6月後半にあった往来相場から揉み合いを想定しており、7月の上昇は既に懐疑的だったのですが、まあさておき、
日足を信頼する場合、今のところ押し目買いが良策に見えますが但し、7月の上昇波動が否定されるケースも押さえておく必要があります。
この場合、7月上昇の三波動目起点となる145.85円水準を割り込むと、7月の上昇波動全体の半値を割ることを意味するのと同時に、ここまでギリギリ耐えていた8月14日の直近安値を割り込むことになり、つまりは7月の上昇波動を証明する高値切り上げ、安値切り上げが途絶えます。
また位置関係を見ると145.85円水準は、既に先行スパンの中にあり、9月上旬にはその下に出てしまうことが予め判っていますから、日柄が違うと同じ水準でも、押し目買いがあり得る場合と、決して買ってはいけない場合に事態は変化してしまう事だけは心しておきましょう。
ということで、今回取り上げた目先を中心に、キーレベルを列記しておきます。
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浅野 敏郎