社員通信

ゴールド相場分析をやってみます

2月最初の配信ですが、
前回投稿以降の月末月初期間で、相場は想定通り乱高下するという大波乱の最中となっており、皆様におかれては「じゃじゃ馬」から振り落とされずに乗りこなしておられることを祈っています。

本題へ入っていく前に、
昨年終盤でアメリカ政府のつなぎ予算をめぐり、政府公共機関が一部閉鎖され、アメリカの経済指標の多くが延期や中止を余儀なくされたことは記憶に新しい訳ですが、

どうにか合意に漕ぎつけたつなぎ予算の延長期限が1月末で切れた中、部分的に合意に至らず再び一部の機関が閉鎖されている模様で、今週末に予定されていたアメリカの雇用統計が延期となるニュースが飛び込んできました。

今回の閉鎖は一時的とされているようですから、6日金曜日の当日どうなるかは各自ご確認頂くとして、やっと通常に戻った矢先に、もういい加減にして欲しいものです。

※1月28日に流れた日テレNEWSYoutube版(https://www.youtube.com/watch?v=HFyC3Jtpb5w)の一部をキャプチャー 当該記事とニュースの内容とは無関係です
~このドル安容認発言が27日終盤のダメ押し下落を演出した可能性はありますね。

さて今回の乱高下の始まりは、
1月23日が起点になっているように思いますが、その背景について、当初は衆院解散の確定やら、中銀によるレートチェックやらが指摘されていましたが、

ドル円だけではなく他の通貨でもドルが全面安になっており、ドル円だけが対象になる日本のローカル要因ではない事だけは明白でしたから、アメリカのトリプル安に対するリスク回避的な動きが週末を前に加速し、週明けには各ロングの投げが投げを呼んだ…といったところが真実ではないでしょうか。

今後について目先注目すべきは、進んだドル安から急反転している現在のドル高の流れが本物かというところですが、

一部で指摘があるように、もし次期FRB議長にウォーシュ氏が指名されたことがドル高の背景であれば(利下げ派の彼が実は堅実な人物で、容易にトランプ氏になびかなず利下げは継続されない)、かなり先の話である上に、実際になってみないと分からない部分が殆どな訳ですから、ドル高はあまり続かない流れだとも考えられそうですし、

円買い介入が否定されたネタに関しては、元々足元のドル安はアメリカ要因でしたから、このネタでドル円だけが買い戻されるのにも限界があるのでは、と疑っています(一時のようにドル安円安というシナリオは残りますが…)。

何れにしてもその辺りを占う点で、正に月末月初で暴落したゴールド相場が一つの指標になるかも知れず、今回はゴールドドル相場を、あくまでテクニカル的に見てみようと思います。

とはいえ、史上最高値を短期間に更新し続けていたゴールド相場ですから、相当ザックリとしたことしか分からないのはご理解いただきたい上で、こうした新値更新時の見方などをご参考頂ければ幸いです。

 
では先ず月足でアウトラインから見てみます。

※Trading View社のチャートをベースに作成しました

近年の急騰ぶりは頭の中では理解していたつもりでも、改めてこうしてみるとその異常な上昇を実感できます。

丁度2000ドルの水準に破線を引いてありますが、2020年に初めて2000ドルを付けて以降、複数年に渡って上値を抑えていた重要な水準であることが判ります。

この水準を突破してきたのは僅か2年前の2024年からですが、2011年に付けた以前の最高値を目前で抑えた水準であった事からも、2024年当時は相当に意識されていた記憶はまだ新しいですね。

この間、強いて言えば浅い底のカップ・ウィズ・ハンドルのフォーメーションを完成した時期でもあり、2024年の出発は相当意義深いところでした。

本年に入ってまだ2か月目ですが、1月の上昇はその異様さを見てもある程度の逆行はあって然るべきだったのかも知れません。

2月の下値は月足転換線(水色のライン)で踏みとどまった上に戻しも早やく、余り月足は参考にできないとは言うものの、一般的なトレード足に置き換えて考えれば、よくある調整の範囲に留まっており、かつ1月安値は割り込んでいないことから、長期トレンドは依然としてゴールド高に異議はありません。

ただし、1月足が余りにも長いことから、この中に孕む形で今後推移する可能性が非常に高いことだけは事実です。

もし万が一、再度下値を試す動きがあれば、ザックリと均衡表の各線(転換線:4424ドル 基準線:3794ドル 17期間半値線:4070ドル)がサポートになり得る事だけは念頭に置いておくと良いでしょう。

では1月足に孕む動きをどう見るか、週足で見てみましょう。

※Trading View社のチャートをベースに作成しました

週足だとようやく、2024年以降でも幾つかのエントリーチャンスがあったことが判り、それはザックリと「一旦最高値を更新した後の揉み合い放れ」となる訳ですが、

直近最高値は勿論、先週の5600ドル水準ですが今となっては余りに遠く、長い上ヒゲを見てしまいますと、今から買いで手を出していくにはリスクは高く、様子を見る他ありません。

一方で下値はと言うと現行足がそれになり、こちらも既に長い下ヒゲを付けており、もう一度売りで仕掛けるには躊躇するところではあるものの、急激な戻しの信ぴょう性を確認するため、再度下値試しをする可能性も残ります。

ただ、均衡表基準線(赤いライン)で下げ止まっていることや、青い破線で示した2025年10月高値とは概ね面合わせで終わっていることから、信ぴょう性はそれなりにありそうな半面で、今のところ今週の下げ幅を取り戻した範囲であり、今度は転換線(水色のライン)がキャップになる可能性も残る以上は、安易な買い下がりも避けた方が良い気がしています。

最後にもう少しヒントは無いか、日足で確認するとともに、新たに取引を始める場合のケーススタディを試みてみます。

※Trading View社のチャートをベースに作成しました

こうして見てみると、押し目買いには少し勇気をもらえそうな位置関係になっています。

先ず、週足で示した2025年10月高値水準(青い破線)はその下に先行スパン(雲)が控えており、この水準は週足基準線と相まってストロングサポートになり得ます。

一方で上値側は、今回の急落によって均衡表各線を割り込んでしまい、今となっては各線がレジスタンスになり得る状況です。

興味深いのは、今回の下落でも昨年末安値の4300ドル水準を割り込まなかったことで、転換線以外は下落の影響を受けなかったばかりか、転換線への影響も極僅かだったことから、4日後以降の数日間は、この5000ドル水準で均衡表各線が重なることが判っています。

これ自体は特に何を意味するものではなく、単に今回の下落の半値ということですが、言い換えると5000ドル以下で推移する限りは弱気が勝っている事にもなり、今回の安値4400ドルとの間で上値が重い展開が予想できます。

下値付近では押し目買いも一手ですが、先行スパン割れや2025年10月の押し目水準である4000ドル割れでは、相場自体の大転換が視野に入る可能性も指摘できます。

一方で買い目線が復活するためには、5000ドル水準を回復し、この水準が底堅くなるような展開が必要で、その際はなるべく高い上値(例えば5250ドルなど)を一度は付けておくと、均衡表の下落はそれなりに抑えられ、上昇相場再開の芽も生まれるでしょう。

何れにしても最高値の5600ドルと押し目の4400ドルを直ぐにどちらかに抜いて方向性を出すには難しい状況に見えますから、

先ずは時間をかけて遠い上値が外れ、均衡表各線が自律上昇できる高値と、
次に遠い下値が外れた時に各線が自律下落できる安値を両方確認できれば、

少なくともそれらの価格が
5600ドルより安く買えるタイミング
または
4400ドルより高く売れるタイミング
になるのだと思います。

言い換えるとつまり、

5000ドルを境界線として下側で揉み合う様だと、先に外れる上値の影響で均衡表は下落し、4400ドルへと押し込まれて下放れにつながる可能性が高まる一方で、

上側で揉み合う様だと、先に外れる上値の影響はある程度限定でき、続いて下値が外れることで均衡表は5600ドルへと追い込まれ上放れにつながる可能性が高まる

という訳です。

このように、短期間の急騰や急落で、それまで順調に変動していた相場に断層のような亀裂が入る現象を、記憶が正しければ、一目均衡表では「柱が建つ」などと表現され、この柱を起点として相場を追いかけるのは意義があるとされていたハズです。

この柱を活用してある程度の節目となる水準は確かに測れるものの、その間の値動き、例えば4400ドルと5000ドルの間や5000ドルと5600ドルの間でどんな動きになるのかは、相場に聞くしかありません。

しかし、逆に途中の値動きはある意味で関係ないので左右されずに無視できることで、予めある程度の節目(キーレベル)として把握しておいた、自分なりの買い場や売り場だけが明確になるため、落ち着いて「じゃじゃ馬」の手綱さばきが期待できる点を、強調しておきたいと思います。(2025年2月3日17:00記)

 
 
浅野 敏郎
P.S.
現在、両建てができないシステムを使っていますが、今回の乱高下でも、僅かな違いで決済に届かなかった一部ポジションに対する判断が遅れ、結果として足を引っ張る形になりました。決済も両建ても結果は同じことなのですが、ヘッジという観点でポジティブに両建てを活用する限り(推奨するものではないものの)、やはりメンタル的には楽なので早め早めに判断できるメリットは充分にありそうだと改めて実感しています。

関連記事