社員通信

FRBタカ派見解で金利が急騰したドルの現状把握

2026年も9月に入り、残すところ1/3年となりました。

ここまでも様々なことがあった本年でしたが、残りの4か月中にはアメリカの中間選挙が予定されており、まだまだ何が起こるか判らない時間が続きそうです。

米・中間選挙に関してはどのみち予断できない代物なので、詳細を追いかけるにはまだ早すぎると思っていますが、JETRO(日本貿易振興機構)WEBサイトの「ビジネス短信」内では特集ページが設けられており、既に続々と入ってくる世論調査の詳細を時系列で一覧できます。

※JETROのWEBサイト中のビジネス短信内にある米中間選挙特集のトップページ(https://www.jetro.go.jp/biznews/feature/usmidterm2026.html)をキャプチャー

JETRO(ジェトロ)は行政独立法人で、日本の国際ビジネスをバックアップする産業界では有名な半官半民的な組織ですが、独自の情報ネットワークを持っており、毎年初の「世界の10大リスクレポート」日本語版がこのサイト内で閲覧できることを過去にもご紹介した記憶があります。

全てが独自情報とは言えないかも知れないものの、私たち一般投資家が入手できる中では手堅い情報だと思っており、高市総理の「強い日本」スローガンのもと、今後益々充実してゆく組織だと見込んでいる訳ですが、

その組織のWEBサイトで特集ページを設けるほど、あの「タリフマン」政権に関わる情報はやはり最重要案件なのだと思い知らされます。

 
さて、

前回投稿から今回の間にジャクソンホール会議があり、FRBウォーシュ議長が就任後初の基調演説を行いました。

マーケットとの対話姿勢に疑問を持たれていた同氏ですが、この演説では具体的かつタカ派的な指摘が見られたことで、金利見通しが一気に利上げ側に振れる中で、

続いてG20会合が開催され、片山財務相とベッセント財務長官が日米個別会談を行った中で、日本の政策に対して米側から言及があったなど、それなりの緊張を保ったまま週明け相場が継続している訳ですが、そこで個人的なルーティンに従ってドルを取巻く現状把握を試みてみましょう。

 
先ず長短米金利の動向と主要通貨ペアの動向について、

※TradingViewチャートをベースに作成

ドル円相場(最下部の白黒ローソク足)とユーロドル相場(最上部の緑赤ローソク足)に米2年債利回り(紫の折れ線)と10年債利回り(青の折れ線)を重ねたチャートからは、

このところ、特に短期金利に連動しやすかった両通貨ペアですが、一連のイベントを終えて長短金利が共に急騰している反面でまだ顕著な値動きには至っていません。

短期金利として2年債利回りを見れば、日米協調介入以前の高値を既に上抜け、10年債利回りも暫くの高値保ち合いを上抜けていますが、

全般的に為替は、前々日の調整を挟んでドル買い基調ではあるものの、さほどの続伸には至っていません。

 
その辺りを主な対ドルペアで確認してみると、

※TradingViewチャートをベースに作成

ポンドやスイスなどの一部の通貨ペアやゴールド相場ではドル買いが進む中、ドル円相場に関しては介入警戒感で、ドルを買いにくい地合いは理解できる一方で、

ユーロドルの底堅さが気になっており、新興国通貨がそうであるように、良くない金利高は通貨安となる側面を持っている点で、ドルに対する判断が交錯しているのか、或いは既に発生しているドルからユーロへの一部シフトが相場を底堅くしている可能性も有りそうです。

 
次にドルの政策金利に対する市場の見通しをCMEのFEDウオッチで確認しますが、

※CME社のFEDwatchツール(https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html)をキャプチャー

1週間前では9月16日会合での利上げ予想は39.6%だったものが現状、68.0%にまで拡大しており、先の債券利回りの動向と一致しています。

数値的には次回会合での利上げ見通しは確実視までには至っていませんが、徐々にその方向に向かっているのは現状で事実です。

会合が近くなると、利回りチャートの細かい動きに便乗して、市場ではポジショントーク的なコメントがしばしば流れることがありますが、このFEDウオッチは全く反応しないことが多いので、その度にオンタイムで動くこの資料を確認すると良いかもしれません。

 
最後に、ドル円相場を簡単に日足で見てみます。

※TradingViewチャートをベースに作成

週足と月足の一目均衡表は3役好転を維持している一方で、日足は介入の影響でさすがに3役逆転になっています。

この日足を3役で追いかけると、

先ず均衡表2線の関係ですが、
赤色で水平推移している基準線はあと2日で7月30日の大陰線高値が対象から外れることで158.055円へと急落し、今後は受動的にも上昇できる転換線を一気に下抜いて好転を達成します。

ただ、万全の状態は均衡表が共に先行スパンの上に位置することが望ましく、その点で一気に下降した基準線が回復するには対象下値の切り上がりに加えて、今少し上値を切り上げない限り暫く時間が掛かります。

現行価格と先行スパンの関係では、
先行スパンの上限と基準線が同じであることを見ても、特に上値を伸ばさなくても基準線以上の価格を保てば、4日後の7日には好転することが約束されています。

唯一遅行スパンの関係がスッキリせず、
幾つかの懸念があります。

2日後に介入時の大陰線が対象から外れると同時に、遅行スパンは一応ロウソク足を上抜けますが、あと1日だけ上ヒゲ大陰線のヒゲが薄い雲のように被さります。

単純に時間さえ過ぎれば横切れる構図であり好転は時間の問題ですが、遅行スパンの好転で更に確実な構図としては、当時の先行スパンを上抜けていることが必要で、

その観点から過去の先行スパンを見る限り、その上限は今後暫く上昇しているため、一気に上値を伸ばすような値動きにはなりにくいところです。

ということから、
暫くは介入の影響から抜け出せない相場位置なので、下値は現行基準線から上昇中の転換線、上値は遅行スパン上方の先行スパン上限もしくはGW介入高値というレンジ相場が妥当に見え、

本格的な動きはもしかすると先行スパンが急降下する7日までは期待できないのかも知れないので、次回16日の投稿では、こうした点を含めた検証をしてみようと思います。

 
浅野 敏郎
P.S.
しこっていたドル円のロングは、少額で下値を買っては戻しでその分を売り、再び押しては買って戻しを売る、を幾度か繰り返してコストを少しずつ下げたことで、相場はやっとコストまで戻って参りました。今回は相場見通しからも、自分の慢心を反省する意味でも、早々にも一旦は段階的にスクエア化する方向で対策し、もし処理し終わる前に図らずも上値が伸びるようなら、少額を引っ張ってみる予定です。

『当記事には、投資の売買を推奨する意図はありません。また、当記事独自の内容や数値の転用・転載等は「投資の学校プレミアム」の同意または出典の記載なく、再利用することを認めていません。』

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