社員通信

速い車と遅い車、強い相場と弱い相場

「投資の学校」浅野敏郎です。

 
世の中、一般的な事象の殆どに、
このような「優劣」が付きまといます。

タイトルにも書きましたが、
相場の世界にも
強い相場と弱い相場があり、

それを見分けたいがために
様々なテクニカルの指標や分析が発展した
といっても過言ではないでしょう。

相場の強弱について、実は2つの意味があり、
その一つが一般的な相称として、

上昇相場のことを「強い相場」「強気相場」
下落相場のことを「弱い相場」「弱気相場」

と呼ぶことがあります。

相場初心者にとってこの使い方は、
私がそうだったように、
若干の違和感があるかもしれませんが、

要するに相場参加者が、
投資対象に対して強気であれば買い進むので上昇
弱気であれば売戻しが入るので下落
しやすいという事なのでしょう。

 
一方で冒頭でも触れたように
生じたトレンドそのものが強いか弱いか
という捉え方があります。

これこそテクニカルの代表的な捉え方の一つで、

例えば移動平均線の傾きであったり、
一定期間の値位置と比較した現在位置であったり
何かを基準として、そこからどの程度離れているかなど、

皆さんも良く使用されていると思います。

※イメージです

知らない方は、これから学べば良いだけのことですが、
初心者の方々や数学のグラフが苦手な方々にとって

テクニカル分析は一つの障壁になってはいないか??
と常々思っています。

 
ですが、こうした複雑な指標と接する前に、
実はもっと単純で基本的な考え方があります。

速い車、遅い車という例えも出しましたが、

※出処 https://autoc-one.jp/の記事内から抜粋。車名はHONDA NSX

速い車を強いトレンド
遅い車を弱いトレンド
と考えた場合、

もしかするとテクニカルをまだ知らない方々でも
トレンドの強弱について、
何となくでも説明することが出来るのでは?
と思います。

100km先の目的地まで
1時間で到着できたA車は時速100キロ
2時間で到達できたB車は時速50キロ
ですね。

つまり、
目的地までの距離を、例えば上昇する値幅とした場合、
早く着いた方が「より強い上昇」であることは当然です。

或いは同じA車でも、
目的地まで1時間で到着した場合と
目的地から戻るのに2時間を要した場合とでは、
単純に後者のトレンドの方が弱かった

ということにもなります。
帰りはきっと、渋滞でもしていたのでしょう。

 
さてここまで、
ダラダラと書いてしまいました。

実際、トレンドの強弱については
色々な手法や見方が山ほどありますが、

実は売買の役にはあまりたたない
というのが私の見解です。

つまり
これほど結果論でしかないアプローチは
既にポジションがある場合に、
どこまで保持し続けるか?
の判断基準にこそなり得ますが、

どこで買うかどこで売るか
については、この点が一番重要なのにも関わらず、

強弱とは別の判断が必要になると思われる上に、
「トレンドが一番強い状態を示した直後に
転換は起きるもの」
といった
「相場あるある」的な側面があることも
見解理由の一つです。

いわゆる、高値掴みが怖いのも、これが正体なのですね。

 
突然ですが例えばもし、
スーパーカーと軽トラのレースがあったなら、

※出処 https://www.honda.co.jp/news/1999/4990527a.html 車名はHONDA ACTY いわゆる軽トラ

殆どの皆さんは、
勝つのはスーパーカーだと思うでしょう。

実際に相場で売買をするということは、
今どちらの車に乗るのかを決めるようなものですが、

 
曲がりくねった山林道だと?
給油するのに行列もあり得るその回数は?
走る道を選べるなら
渋滞しやすい高速道路と空いている一般道では?

などのように
勝負をする場所や環境によって
実際の結果が左右される可能性があり、

目先のポテンシャルだけに縛られることなく、
もう少し過去や未来の状況を
単純明快に把握した方が良い場合も多々あるのです。

 
今後、たまにはこうした相場のお話はしていく
つもりではおりますが、

最後に1つの例を掲載して今号を終わります。


※強いトレンドに発展したという結果は後でしか分からないため
 事前に必ずこうした結果を伴うという捉え方ではありません。

 
 
浅野敏郎

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