社員通信

投資って一体…

来年の2024年からNISAが新しくなるようです。

数年前から日本政府も、
「貯蓄から投資へ」を合言葉に

iDecoやらNISAやらジュニアNISAやらと
手を打ってきてはいますが、

個人的に仕組みやルールが今一つ響かず、
見送ってきたという側面があります。

一方で新NISAはざっと見てみた限り、
かなり簡素化された印象があり、
金額の枠も拡大されるということで、
資産に余裕がある方なら参加しやすそうです。

ただ、どの銘柄に投資をするかの原則は、
当然ですがやはり自己責任なので、

そのハードルは依然として存在するのは
間違いないところです。

何れにしても、
小中学生から金融教育が導入され始めた今、
投資を無視できなくなってきている世の中に
なりつつあることは否めませんが、

昔の国民皆中流階級ではなくなった昨今では、
依然として投資などは二の次、三の次という方も
少なくない点で、

国が主導するのも妙な話ではあります。

 
 
さておき、

多くの皆さんは投資の話になると
身構えてしまう傾向があると思います。

いきなり詐欺話を連想してしまうと
元も子もない訳ですが、このケースは特殊として、

改めて「投資」の意味を調べてみると、その多くは、
「将来的な利益を見込んで自己資金を投じること」
とあります。

確かに言えている部分はありますが、
あえて付け加えると、
損失リスクを理解した上で…となる訳ですが、

これはこれで身構える立派な根拠になってしまいました(汗)。

しかし言い換えると、投資を行う際には必ず、
損をする仕組みを知ることが必須だということになり、

幾らの投資資金が、どうなると、幾らの損失になるのか
を知らずして投資をすべきではない…となります。

ではどのようにして損する仕組みを知るのか?
というテーマに関して、

個人的には先ず、投機を基本に考えるべきだと思います。

投機というと投資よりも一段と怪しくなるワード
ではありますが実は、
買った値段より高く売るという一般的な概念に加えて、

売った値段より安く買い戻す、という投機独特の思考が
含まれているからです。

 
そこで、やはり改めて「投機」という言葉を調べると…、

「相場の上下動に乗じて短期的な価格差による収益を主眼に
売買取引を行うこと」

などといった説明がありました。

そもそも、なのですが、
投資の「将来的な…」とか、投機の「短期的な…」
という考え方を、
これから投資?を考えている方々に理解できますかね??

投機という言葉から連想される怖さは、
実は信用取引に紐づく売り取引やレバレッジが要因で、

投機か投資かの時間的な事とは無関係なのです。

 
唯一問題なのは、投機で始めたにも関わらず
損失になるといきなり、投資根性が芽生え、

将来的には戻るだろう…とばかりに
資金の限りを尽くして損失を穴埋めし、
挙句の果てがパンク…といったシナリオです。

実際、信用取引に特有なレバレッジの分だけ
入口は小さく見えるのですが、
収益や損失の深さは投資と投機に差はありません。

つまり、
将来的に利益を期待するという
投資のメンタルだけだと、
特に損失が膨らむ場面で麻薬のような効用を示し、

運用し続ければどうにかなる…
といった危険な思考回路に陥りやすくなるのです。

ですから、
この危うさから一皮むけるには、
自分の判断で決済売りができ、
自分の判断で新規売りができ、
自分の判断で買戻し、
自分の判断で新規買いができる「投機」を自覚して

こうした相場の変化に対する判断力を付けるのが、
一番有効だと考えます。

きちんと投機が理解できれば、

自分はどこまで損失を許容すべきなのか、
買うよりも、売って利益を期待した方が良いのでは、
と感じた時、

何をもって判断すべきかなどの根拠ができるハズで、

つまりは、常に判断材料を考え続けることで、
結果的にそれが投資力に直結するという訳です。

 
もちろん投機であっても短期間で決済する必要はなく、
利益が増えている場合にのみ決済を先送りすれば、
「将来的」な運用も、それこそ自身の判断で充分可能で、

結局、超長期か超短期は別として、
運用期間の長期か短期かの問題はあまり、
意味をなさないと思っています。

 
 
さて新NISAは、現行NISAと違い、
投資枠の一部か全部かを、そのタイミングに関わらず、
換金決済しても翌年にはフル枠が復活するそうです。

言い換えると、
1年単位で投機をしなさい…と言っているようにも聞こえ、

損失に対する柔軟性が生まれた代わりに、
自己責任の枠を広げたように思います。

NISAは信用取引がNGらしいので、
売りでチャンスを狙うことはできないようですが、

今回の仕組みは、
買って持っていさえすれば、何れ儲かるかも…から、

下落局面では一旦は自分で換金して、
回復するようなら翌年に買い直せばいいじゃない…

といった、より実践的な投機力が試される仕様
なのかも知れません。

 
 
浅野敏郎

P.S.
精度が高い投機は、お気楽な投資よりは難しいと思います。
なので、楽しもうというメンタルが重要なのでしょうね。

新NISAの情報は合っていますかね?
詳細は必ず、ご自身でご確認くださいませ!(お粗末)

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