社員通信

ネット広告のグレーな境界線

アメリカの大手企業決算発表が一巡し、
GW連休明けからは日本企業の決算発表が山を迎えます。

発表を控えて万が一の利益確定が出たのか、
先月中盤はアメリカの株式市場で売りが強まり、

連動する形で日本の株価も連れ安となって、
日経平均は一時、37,000円を割り込むなど、
ヒヤリとされた方も少なからず居られたと推測します。

日本の事情だけを切り取れば、別に円高になったわけでもなく、

日本株の下落は、単に半自動的なバスケット売りが主要因に見えます。

※フィナンシャルタイムズのWebサイト(https://www.ft.com/)よりキャプチャー あくまでイメージです

著名な経済番組では、
ボラティリティ指数の変動を下落の一要因に挙げていました。
(VIXが上昇したので相場が下落した、という理論)

確かにオプション市場の動向が先行して
ボラティリティ・インデックスが上昇した可能性は否定できないものの、

ボラティリティは、先に相場変動があって初めて変動するのが原則だとすると、

米国のSQを控えたヘッジの動きでボラティリティが上昇し、
それがきっかけで、相場に下落圧力が働いた可能性も考えられそうです。

何れにしても、こうした動きには惑わされないようかつ、
スクエアだった場合は、こうした行き過ぎた連動相場では逆に上手く拾ってみる勇気が、その後のラッキーを手にする機会になるのかも知れません。

 
さて、

ここ暫く、死亡保険のCMがテレビで賑わっています。

頻度は時間帯によってまちまちな印象ですが、

月々わずか○○円で
○○○万円の死亡保険が掛けられます…的な内容で、
同じ保険金であれば、なるべく安く掛けたいという心理に訴えているのは明白です。

インターネットなどを駆使した企業努力で、同じ内容の保険商品がより安くなるのは大歓迎なのですが、

元々安い内容の異なる保険を同じような見せ方をすることで、安さだけが強調されている観もあり、
勘違いしたままネット広告の誘導に従って加入しその後も継続してしまうと、本当に必要な最後の最後に加入すらできない状況も充分にあり得るので注意が必要です。

例えば、同じ死亡保険でも、保険期間がある「定期」と、ない「終身」があり通常、
定期は加齢に連れて死亡リスクが高くなり掛金は増えるので、死亡リスクが小さい若者であるほど安くなっている一方、
終身の掛金は一生涯変わらない分だけ始めから割高になっているというのが一般的です。

個人的な理解の中でのお話なので、詳細は個々人で確認いただきたいのですが、

例えば、定期保険加入の上限年齢として一般的なのは85歳らしいのですが、保険期間が10年だとすると95歳で保険が切れてしまい、以降は加入できない中で他界しても保険金は一切下りないことになります。

しかも後期の定期保険の掛金は終身よりもそれなりに高額になっており、そう簡単にオイシイ話しは無いということにもなります。

最悪の悲劇は、自分が他界した際の葬儀費用として加入したつもりの死亡保険が定期で、継続したくてもできない状況だけは回避したい、ですね。

要するに、
同じ死亡保険でも目的によって異なり、掛金だけで惑わされない知識が必要だということになり、よくわからない方は専門の窓口などで確認されると良いかと思います。

 
他にも、

有名人の写真などを広告に使った投資詐欺の存在が明らかになり、騒ぎになっています。

無断で写真を使用されていた有名人側は、相当以前から広告を取り下げる様に広告主やネット広告掲載媒体へ働きかけていたようですが、事実として放置された上に結果的に悲劇が起きてしまっています。

もちろん、実際に保険サービスの実態があるのか、実際に投資を行っていた実態があるのかなどで、そもそも詐欺か一般的な広告かどうかの明確な違いはありますが、

有名人を使ってある程度の信用を引き出し、ボタン一つでその方向へ誘導するといった、ネット広告の手法だけに限った違いは微妙に思います。

有名人が起用されているから安心…などといった神話は、かつての広告規制が強かった時代の話ですから、少なくともそれだけは今や通じないと思って、先入観なしに広告を見直してみると景色が少し違ってくるかも知れません。

ネットが当たり前の方々にとっては当たり前の心構えなのかも知れませんが、ネットに余り親和性が無い特に中高年の方々は是非、ご留意いただきながらGW後半戦をお楽しみください。

 
 
浅野 敏郎
P.S.本日からもう5月ですね、今月もよろしくお願いします。

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