10月2回目の投稿です。
今月も下旬に差し掛かり、来月は早々にもアメリカの中間選挙の投票日を迎えます。
現政権の共和党は直前の駆け込み対策を五月雨式に連発し、なりふり構わずといった様相ですが、トランプ氏の不支持率が最低を更新する中で共和党は苦戦を強いられるとの見方もありますが、

※ReutersのWEBサイトから当該記事(https://www.reuters.com/jp/world/us/M7UF6ZS2M5IDVHKLNC5MM3TZ4I-2026-10-19/)のトップイメージをキャプチャー
結果次第では再び、不正などを理由にトランプ氏が難癖をつけるだろうことは明らかで思いやられます。
ところで、このところ不正アクセスによる個人情報の流出が止まりません。
前回の投稿で中間選挙関連情報の入手先としておススメしたJETROのサイトも不正アクセスが原因で17日から運用を停止していて驚きました。
このサイト自体、個人情報というより企業関係者がメインのようですが一方、
私が利用する幾つかのサービス提供会社でも被害報告があり、もはや流出済として考えるべきフェーズに入った気がします。
なぜこのような事態が激増しているかについては既に皆さんもご存知の通り、AIによって日本語の壁が無くなり、そのAIを使って誰もが簡単に攻撃でき且つ確度も速度も飛躍的に向上した結果だとされています。
AIに対する懸念が瞬く間に現実となり、既存のセキュリティが無力化されつつある今、個人情報流出の次のステップには、詐欺への悪用が思い浮かんでしまう訳ですが、
最後の砦は結局、一周して私たち一人ひとりの基本的な常識力にかかっているかも知れない中で、詐欺相手すらAIだった場合を考えると果たして「AIをかわし切れるかどうか」という不安も残りますね。
FXや株取引の世界もネット売買が主流となって相当な時間が経過する中、こちらへの攻撃に目が向かないことを祈っていると同時に、今となってはほぼ無視されがちだった「ネットリスク」を改めて織り込む時代なのかも知れません。
さて、日米の金融担当者が国債市場の下落を懸念していたのは、つい先日の事でしたが、今月上旬の安値以降は落ち着きを取り戻しつつあり、価格も少し回復基調にあるようです。
特に米国金利とドルの強弱は、FXを取引する上で重要なファクターであり、ドルの上値警戒感が強い対円相場を除き、ここまでの金利上昇期では概ね強いドル高基調に晒されていました。
一方で金利低下がみられる昨今、この動きに連れてドルが売り戻される期待もあるハズなのですが、一部の対ドル通貨ペアを除き、ドル売り反応は鈍く、せいぜい揉み合う程度となっています。
昨今の金利低下背景を推測するに、
原油市場が100ドル前後で高止まる中、インフレ懸念が後退したというのは考えにくいところでしょう。
とすると考えられる一つには、
ご存知の通り10月発表の9月雇用統計結果が冴えなかったことで連続利上げ期待が冷やされたことが指摘できます。
今一つとしてあり得るのは、
アメリカの中間選挙を控えて、行き過ぎた動きに対する調整の可能性と、政治的事情から政策金利の連続引き上げは考えにくい点が指摘できます。
実際、10月開催のFOMCに対するFEDウオッチは概ね据え置きが確定しつつあることに加えて

※CME社のFEDwatchツール(https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html)から10月28日FOMC会合の予想データをキャプチャー
ドルの売り戻しが限定的なのは、恐らく中間選挙が通過すれば再び、金利上昇圧力が復活するとの見通しが優勢なのかも知れず、

※CME社のFEDwatchツール(https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html)から12月09日FOMC会合の予想データをキャプチャー
それを反映するように12月開催のFOMCに対するFEDウオッチでは0.25%の追加利上げ予想が主流であることに裏付けられています。
ただ今回の原稿を作成するにあたり、米債利回りと各市場の相関性などを色々と調べる中で、ある一つの可能性を推測しました。
金利高は通常、株式市場にとってはネガティブ材料だというのが一般的で、
現にダウ平均は金利上昇期間中を下げ続け、金利高がピークを打って以降は回復気味に推移しています。

※TradingViewチャートをベースにDJIチャートと米国10年債利回りチャートの比較を作成
日本株でも円の長期金利が急騰する局面では時々、それが嫌気され日経平均が下げる場面はしばしば聞く話です。
一方で、同じ米株市場であるナスダックのここ10日間の下落について、
市況ニュースなどでは、AI及び半導体関連企業への懸念が強まって急落したとされています。
この下落の間、金利はピークを打って下落基調だったにも拘らずであり、しかもナスダックが上昇期の金利地合いは上昇基調だったことを考えると、ナスダック市場に関しては先の一般論は全く通用していない事が指摘できます。

※TradingViewチャートをベースにNASDAQチャートと米国10年債利回りチャートの比較を作成
もう少し踏み込むと、
債券市場や株式市場が下落する意味はキャッシュポジション化だと考えれば、そのキャッシュの一部は、実はAI・IT関連企業が多いナスダック市場に向かっていたという想定が可能です。
つまり米株市場にとって、ネガティブ材料とされる債券売り(金利上昇)はナスダック市場に限っては資金が流入するためのポジティブ材料になり得るということです。
この観点から昨今の下落を紐解くと、
ナスダック市場で現金化されたフローは上昇時の逆回転となって債券市場に流入し、債券買いが利回り低下につながったとすれば整合性がありますね。
もちろん、このような相関性は一過性の偶然である可能性もあり、長くは続かないかも知れませんが、この相関性を頭の隅に置いておくだけで、不可解な値動きでも比較的明快に対処できることもあるかと考えています。
例えば、日経平均でもAI・半導体銘柄への注目度が上がる中、
チャート形状はナスダックと酷似し始めており、ナスダックと同じような相関性が生じ始めている可能性が見えてきます。

※TradingViewチャートをベースにNASDAQチャートとNK205チャートの比較を作成 3本の移動平均線期間は50-150-200と比較的長期にも関わらず、位置関係や50期間の軌跡も類似しているのはサプライズです
つまり、
日本国債が売られて円金利が上昇する局面では、円買いがFX市場に入りやすいことに加えて、債券売りで生まれたキャッシュのフローが同時に株式市場に入り込めば、金利が上昇しているのに株価も上がるといった状態は可能であり、
円金利高=円高=株安(その逆も然り)という従来の一般論が機能しない局面が最近頻発しているのは、その表れなのかも知れません。
実際にキャッシュのフローは我々には見えないため、あくまで仮説の域は脱しませんが、為替に関しては現状、対ドル通貨ペアは依然としてドル金利に左右される可能性は充分残る一方で、
特にドル円に関しては、米国時間時間に掛けてはアメリカ事情でドルが買われ、日本時間に掛けては日本事情で円が買われるなどで(必ずこの順番で変動することを意味していません)、レンジ相場になり易い傾向を感じます。
もしこのまま金利低下が続いた場合は、ドル売りで素直に反応し始めているカナダドルやポンドが買われやすい可能性はある一方、ユーロに関してはドイツの極右台頭やフランスの暴動などで買いバイアスは低い側面があると考えています。
何れにしても仮説シナリオに従った場合、
金利低下が続く想定をするのであれば、ナスダックも下落が続くことになりますが、果たしてその結果や如何になるか注目したいと思います(2026年10月20日19:00記)。
浅野 敏郎
P.S
今夜のWBSで、とある証券取引会社で不正アクセスによる意図しない売買が発覚したというニュースを見ました。あまりにタイムリーでビックリしたのですが、不正アクセスというより従来通りの口座乗っ取りの可能性も否めないものの、AIによる投資売買システムへの不正アクセスリスクは益々、懸念されるところです。
『当記事には、投資の売買を推奨する意図はありません。また、当記事独自の内容や数値の転用・転載等は、「投資の学校プレミアム」の同意または出典の記載なく再利用することを、AIを含むいかなる当事者に対しても認めていません。』