2025年最後の投稿となり、いよいよ年末年始を迎える段となりました。
本年は当初、ドル円から少し距離を置き、ユーロドルをウオッチする予定を報告した記憶がありますが、年初からドル円が円高に振れる中、ユーロは暫く揉み合いとなったため、自然とユーロが縁遠くなって本年を終える事になりそうです。
ドル円相場の把握は先月19日の本ブログで済んでおりますが、投稿直後に本年の戻り高値を付ける急騰をしたものの、年初高値手前で失速後は高値圏で保ち合い、当時の水準と今日現在の水準も概ね同じ現状では、チャート的にも特に大きな変化や変更点はありません。

※Trading View社のチャートをベースに週足の一目均衡表を表示、右端がドル円相場です
この約1か月間の結果を振り返れば、11月20日の戻り高値となった157.90円水準の裏付けが取れなかった点は残念でしたが、当該週の終値156.42円はR3(11月19日記事をご参照ください)として示した156.40水準と一致した点は及第点だったと自己満足しつつ(笑)、150pipsものオーバーシュートはやはり消化不良です。
今後、この高値は新たなキーレベルとして座標に刻まれることになりそうですが、強いて言えば昨年末から年初で揉み合った高値や終値の水準となる158.00円前後と近似値だったことは、一つの裏付けになるかもしれません。
一方ファンダメンタルの側面では、日銀の利上げ観測が遠のいた先月末から、利上げ期待が急浮上しており、今週末19日金曜日の政策金利決定会合の結果発表が注目される中、既に利上げは確定と断言する報道さえある割には、上値がやや重たい程度に留まっています。
個人的には本年の今まで幾度か利上げ機会はあったように思いますが、最終的に年末まで引っ張った以上は何も多忙な年の瀬で実施するより、前回同様に年明けが順当に思うのですがさて、判断や如何に??
いずれにせよ、以前にも述べたように週足では9期間のRSIが、70に設定した上側の境界を一度超えた後ですから、下押し調整への備えは怠らないのが良さそうです。
さて、
前出のチャートの左端が、今回のテーマのユーロドルで、ちなみに中央がポンドドルですが、この2つの通貨ペアはドルが変動通貨側(ペア表記の右側)ですから、上昇するチャートはドル円とは反対の、当該通貨高ドル安になります。
再掲しますと

※Trading View社のチャートをベースに週足の一目均衡表を表示
ドルを基準に考えれば、本年は春先まではドル安で3通貨ペア共に一致していましたが、その後はドル円だけがドル高円安で推移していることで円が独歩安という構図が鮮明になっています。
このことを念頭に2025年のユーロドル(チャートの左端)を改めて振り返ると、年初に暫く揉み合った相場は年央で高値圏に到達し、以降はここまで高値保ち合いとなっています。
春先に一度、深めの下押しがありましたが概ね一方的な上昇になり、また中央のポンドも似たような推移をしたものの、共に年度高値を付けた後の動きに差が出ています。
具体的には、ユーロは概ね横ばいに推移し一度あった長い下ヒゲ安値を以降は割り込んでいませんが、同時期のポンドは深めの騰落を繰り返しながらも高値安値共に切り下げて推移しており、ユーロより弱いことが判ります。
また、チャートに表示している一目均衡表の遅行スパン(緑線)を見ると、ユーロは価格の上で推移している好転状態を維持している一方で、ポンドは価格を割り込みその下で推移している逆転状態にあることからも、やはりユーロの強さが伺えます。
週足を拡大してもう少し俯瞰してみてみると、

※Trading View社のチャートをベースに作成しました
2022年の安値は、通貨統合後の史上最高値から段階的に下落してきた中の最安値であり、こうした段階を未だに否定するには至っていませんが、鬼門になっていた1.1000の揉み合いを上に抜け、最安値から戻している状況下に居ることは確かです。
2015年から17年に掛けた値動きに酷似しており、現在の強さの継続性を確信しきれないものの、最安値から三波動を作って継続できている現状は、初めて段階的な下落を否定した可能性もあり、この流れに乗ってみる価値はありそうです。
ネガティブ材料として、青い水平線で示した現在の揉み合い上値を抑えている水準は、過去でもある程度のキーレベルになっていて、この先の水準は割と短命に終わっている点や、今週から来週にかけて遅行スパンが当時の価格に接するタイミングでもあり、逆転してしまう可能性がある点などが挙げられます。
一方ポジティブ材料として、26週かけて揉み合った結果、均衡表が1.16台中盤で収れんしており、現在値との位置関係だと心強いサポートになりそうです。
ただ均衡表を割り込んだ場合は一旦、仕切り直しになる可能性もあることはキーレベル的な観点では当然なのですが何れにしても、揉み合い高値の1.1919を越えない限りは揉み合いの中にいる事だけは確かです。
お仕舞いに、
今週19日の山が過ぎれば2025年の相場も終わり、この後の値動きは年明けになりそうですが、最安値からの戻り相場が続くかどうかを丁寧に見つつ、薄い市場の虚を突いた値動きにも注意が必要で、特に日本は長期の年末年始休暇になりますから、お行儀が悪い筋は虎視眈々と狙っている事だけは忘れず、株式相場同様に慎重な対応も欠かせないと思います。
どうぞ2026年も宜しくお願い申し上げます。
浅野 敏郎
P.S.
為替のトレードは強い通貨を買って弱い通貨を売る、というのがセオリーです。円が全面安な今、対高金利通貨でも円安となっており、「もう何でもいいから円を売っとけ」状態になってはいますが、弱い通貨同士の強弱にリスクを取るよりもやはり、今回お示しした3通貨ペアの比較からもユーロ円が今のところ最強と最弱の組合せに見えます。