社員通信

2026年介入後のドル円相場解説

5月2回目の投稿ですが先週お約束した通り
今回は2026年介入後のドル円相場を少し踏み込んでみたいと思います。

この度の最後の介入は5月6日水曜日とされていますが、それでなくても週末リスクが通常より高い状況が続いている中で、その後2回の週末を越えてきた現在、粛々とドルの買戻しが進行し、

先週の記事で「新たな防衛壁」と推測した158円水準をほぼストレスなく越え、特に14日木曜日は158円台に乗せてやや上昇に勢いが付いたわけですが、為替水準に対して18日時点では財務省から主だったコメントは聞こえてきていません。

※小林幸子さん公式オンラインショップのページ(https://sachikogoods.official.ec/items/44632902)よりキャプチャー
本原稿とショップおよび当該ページの内容とは無関係です。何故かは後ほど判明します!

確かに、この間にベッセント氏の訪日やトランプ氏の訪中が続き、視線がややそれた側面もありましたが、株安、円安、債券安のトリプル安の傾向が数日続いているマーケットの動きを見る限り、日本のインフレ病には利上げというワクチン注射を打ちにくい状況にあることを見透かされているのかも知れないですね。

さて本題ですが、先ず大きな流れを月足で再確認します。


※Trading View社のドル円月足チャートをベースに作成しました
今までも時々使っている月足チャートを再掲しますと、現行足が5月足、その前が4月足ですが、4月足は介入があった30日の日足と一致し、その後も続いた介入は5月足の下ヒゲ程度に終わっているなど、大勢への影響は殆ど無い事が判ります。

暫く水平に推移している基準線を考えますと、遅行スパンが差し掛かっている2024年4月足以降がその対象期間ですが、2024年7月の第二次介入をあぶり出した7月高値と2か月後の9月安値が現在の基準線を支配している以上、この間で揉み合う限りは基準線はこのまま水平移動します。

基準線と高値関係では、対象高値の161.95円を上抜けばいつでも自律上昇を始めますがそうならない場合、この高値足は今年9月に対象から外れて本年4月足に移るとともに、今の150.76円から一旦150.15円へと受動的に下落します。

その後も4月高値を更新できなければ約2年間は対象高値となりますが、言い換えるとその間は一番天井より低い4月高値を越えるだけで基準線は自律上昇が可能になる訳です。

もちろん、現在の対象高値はキーレベルとして座標に深く刻まれ、その影響は半永久的に続くことにはなりますから、4月高値を越えてもラスボスとして控える訳ですが、基準線の上昇という武器を得た相場は今よりも強い可能性があり、ラスボスが倒された際の相場の威力は、2024年の第一次介入をあぶり出した4月並になることも想定されます。

一方で下値関係は、本年12月に2024年9月足安値が対象から外れて2025年4月安値に移るものの、30ポイント余りの上昇に留まるだけで済み、結果的に本年4月高値を越えなくても150.30円へと受動上昇します。

まとめると、基準線の対象下値は今後も長期に渡って大きな動きが無く、言い換えればこの遠い下値を割り込まない限り下落に転じる事はなく、150円台で動かない基準線以上で相場が推移する限りは円安が優勢であり、上値側は今後も1番2番の天井が意識される展開が続くという訳です。

付け加えるならば、転換線は既に受動上昇期に入っており、7月までに今年のレンジをどちらかに抜けなくても、その半値となる156.40円へと上昇し、皮肉にも今月の寄付き水準がサポートになる可能性が高くなります。

次に週足ですが、


※Trading View社のドル円週足チャートをベースに作成しました
現在の月足基準線を支配している高値安値をチャートの左端に配置してみました。

安値以降の展開は微妙ながら、安値を切り上げ高値を切り上げたことで上昇を維持しつつ、大きくは24年安値から第三波動目を継続中となりますが、2025年安値を起点とした上昇を追いかけることでも、今のところ矛盾は無さそうです。

少し前にも、同様に2025年安値からの二波動構成(第一波動と第二波動を使って三波動目のトレンドを占うこと)を説明した記憶がありますが、E計算値以外の主な上値計算値は既に達成し、上昇を否定する要素は今のところ見当たらない状況です。

時間経過も既に終了してこの形を維持しているということは、本年1月高値までを第一波動とする新たな二波動構成(ピンクの波動)が視野に入ってきます。

現在の1番天井は、どの足を見る場合でも目先の最重要水準ですが、3月には1月高値を越えて新たな三波動目に突入したと考えると、わざわざ示さなくてもあらゆる計算値は既に最重要水準を越える162円以上の位置にあり、「既に秘孔は突かれている」としか言えません。

ですから、今後暫くは上昇トレンドを否定する可能性を細かく追いかけて、リスクを考えるしかない状況下で、

先ず現在の転換線を支配している高値安値は介入週の2本であり、来週以降5週間は155.03~160.72円をアウトブレークしない限り水平に推移しますので、
・157.88円の転換線を割り込む
・156.40円の基準線を割り込み、以下で終わる
・155.03円の介入安値を割り込む
・遅行スパンが当時の価格を割り込む
などがポイントになりそうです。

もう少し深追いすると、均衡表(転換線と基準線の2本)が逆転するタイミングとなり能動的には目先、1月安値割れが候補ですが、現在の均衡表上値対象が4月30日で共通する中、1月安値割れは下値対象も一致するため、同時線のまま下落することになります。

これはこれで強い下落を示唆しますが、対象の上値や下値がズレるまでは交差にならない点は念頭に置いておきましょう(日足の介入後の動きが参考になります)。

交差する代表例だと、今後の高値が4月最終週の高値に近づきすぎないまま、現在の転換線の対象高値が外れるタイミングでは、転換線がそれなりに受動下落しますから、基準線が水平で推移していても5月安値をある程度割り込むだけで逆転する可能性が出てきます。

何れにしても、本年安値を割り込むと上昇の三波動も否定されるため、先行スパンを下側に見ながら難しい相場展開が予想されます。

お仕舞いに時間の都合上、日足を簡単に把握して今回の締めと致しますが、

現在のチャートが可能な限り最新のモノになりますので、公開時点でどうなっているのか楽しみに待ちたいと思います。

※Trading View社のドル円日足チャートをベースに作成しました

今回の介入で、先行スパン(雲)の内部へと押し込めることには今のところ成功していますが、その下で終わるまでには至っていない点は、2回あった年初の急落の方が強いインパクトだったと言えそうです。

転換線は4月30日介入が外れたタイミングで対象高値が下がり受動的に逆転を達成したものの、基準線を越えて上値を伸ばしている中、対象下値も外れながら高値を切り上げて能動上昇しています。

一方の基準線は、30日高値と6日安値をアウトブレークしない限り暫くこのまま水平推移しますから、介入が無ければ高値を伸ばさなくても均衡表は受動的に好転することが判っています。

13日の逆転で下値を警戒するコメントなども見られましたが、転換線が相場より下方に下がること自体はサポート要因にもなり、単純に交差が相場の方向を示すわけではない事を、この場を借りて付け加えたいと思います。

何れにせよ、介入警戒感を抜きに考えても、ここから上は3月中旬から介入に至る長期間の揉み合い水準が控えており、相場はそれなりに重い状況は見て取れます。

今のところ、先行スパンの上限や遅行スパンの当時の均衡表などがレジスタンスの支援材料にもなっていますが、この水準を上抜けて上昇に弾みがつくかどうかは、さすがに介入の後だけに何とも言えないところです。

 
という訳で、
ドル円相場を俯瞰する意味で、中長期に若干のウエイトを掛けましたが、このところのドル上昇の一要因として、為替が相対的にドル高になっており、ドルの長短金利が共に急騰している点が挙げられ、あまり良い金利上昇とは言えないだけに、ドルを買い進めるには勇気が必要ですが、ドル金利が上げ止まらずに各対ドル通貨ペアがドル高推移を継続すれば、対円相場も警戒感を越えて同調するしかない一方で、

キャッシュが債券市場から株式市場へ流れるような良い金利上昇であれば株式市場は底堅くなるはずですから、暫くは金利市場と株式市場を見比べながら、金利高を嫌気して株価が下落するのかどうかに注目する地合いに見え、暫くはヒリヒリする展開が続きそうです。

 
 
浅野 敏郎
P.S.
G7会議が本日まで開催中です。各国共に自国通貨安、ドル高が次第に問題となりそうな中、アメリカも債券安による金利上昇は不快かも知れず、ドル安をテーマに協調した姿勢が見える可能性には注意しようと思います。まさかこの会合中にプラザ合意のような協調介入が決まるとは思えませんが、イラン問題で世界が混沌とした中で、テーマは一致する方向へ進んでいるように感じます。昨日中にG7出席中の片山財務相から「投機的動き」を指摘するコメントが出されたようですが、投機家は無暗に円売りを仕掛けているのではなく、チャートがそう言っているからで、チャートが下落の可能性を示唆し始めれば自ずと、ドル売りもそれなりに出てくると考えます。(5月19日11:00記)

関連記事