社員通信

あらゆる事が相場化する現代の自衛策

6月最初の投稿です。

各月のイベントは皆様が関わるコミュニティーによって様々かと思いますが、特に2026年の6月は何と言ってもサッカーWカップ大会というグローバルなビッグイベントがあります。

マスコミも徐々に盛り上がってきてはいるようですが、日本人の国民性なのか直前にならないと一般人までなかなか盛り上がらないのは、オリンピック然り、大阪万博然りでした。

個人的に最も鮮明に覚えているのは、実際に現地観戦した1998年の長野冬季オリンピックのことで、苦労して手に入れたチケット(実際に苦労したのは家内です…)を握りしめて降り立った長野駅前のチケット屋さんにはまだ沢山のチケットが並んでおり、

あの苦労は何だったのかと絶望した訳ですが、最初のメダリスト誕生を境にチケットは街から消えていた…という記憶で、まさに日本人のスロースターターぶりが伺えます。

この意味でも、サッカーWカップの日本戦初日の成績は、その後の盛り上がりを左右するのだと思いますが、

※FIFAのワールドカップ公式サイトよりhttps://www.fifa.com/ja/tournaments/mens/worldcup/canadamexicousa2026ページをキャプチャー

Wカップのチケットは需給で価格が変化する「ダイナミックプライシング」方式を採用しているらしく、価格の爆謄ぶりが問題にもなっているとのニュースもありました。

ここで、中学生でも知っているはずの需給について少し考えると、

需要が高ければモノの値段は上がり、低ければ下がるのは自由経済では当たり前として、しばしば問題になるのが違法とも言える価格の急騰です。

強い需要が価格を引き上げることの違法性とは何でしょうか。

Wカップの場合は主催者がこの手法を採用しているので、収益の権利は搾取されていない一方で、いわゆるダフ屋行為が特に違法とされるのは、差益が行為者に入るため主催者利益を毀損している点だとも言われているようですが、

そもそも、10円でも発売価格より高ければ買わないような人だらけであれば、ダフ屋そのものが存在できないところ、10倍でも欲しい需要があるがために成立してしまう訳です。

現実として、価格が高くなる方向に関しては高額転売などと問題視されがちですが、不要になったチケットやモノが半額でも換金できればいいという人から安く払い受け、必要な人へ売ったり流通価格より割り引いて売る行為と何が違うかは疑問であり、

こうした行為もダフ屋行為とするなら、街のチケット屋さんや古物商、ホテルサイトや中古車販売など、現在の流通業界の半分?は違法になってしまいますね。

このように、ダフ屋行為の違法性に関してはかなり曖昧ではあるものの、

需要さえあれば商売ができるという自由経済を基準におくと、供給量が限られているチケットなどでは行き過ぎた需要が発生しやすいとも言え、個人的には法外な高額を引き起こすボトルネックは供給だと思っています。

おコメや原油は数量が膨大で、今までは何となく無尽蔵的な感覚だったかも知れませんが、コモディティである以上は供給量は決まっていますから、チケットと似た構造であることは間違いなく、

そう考えると、今も尾を引いている「令和の米騒動」といい今回の「ナフサ」騒動といい、共に供給は充分だと言われていた中で起きた品薄や欠品は、明らかに我々が直面する供給が不充分だった訳です。

そこで、政府が十分な供給は確保していると繰り返す原油やナフサですが、
実はあくまで原材料の話であり、一般人が直接買えるモノでもないですし買えても使い道がありませんから、我々にとって安心材料になるのはこうした原材料の事ではなく、ガソリンや軽油、由来の製品といった、直面する供給なのですね。

おコメについても、玄米は原材料に相当し直面する供給は主に白米ですから、幾ら玄米を放出したところで供給に直結しなかった訳ですが、自動精米機がそこそこ見受けられる現状で、玄米を直接供給に当てればもう少しマシな結果だったかもしれず、

米騒動の際にもう少し踏み込んだ調査や対策をしていれば、ガソリン騒動に始まった今回のナフサ騒動はここまで酷くならなかったとも思えて残念です。

何れにしても、政府の努力は感じつつも本当に原材料が充分なのであれば、今回も供給のどこかで誰かが止めている可能性は高く、摘発への行動を示して欲しいですし、もしその誰かが簡単に低リスクでダフ屋行為(に似たビジネスモデルを含めて)で利益を上げているとすれば、それが可能な経済地合いこそが「インフレ」だと言えなくもなく、鎮静には多大な努力が必要だと各中央銀行が敵視する理由が垣間見れているところです。

 
さて、ダイナミックプライシングに話を戻すと、
宿泊施設を含めた旅客業界では随分前から既に採用されているはずで、昔から大雑把な季節割り増しなどはありましたね。

今の手法はもっと緻密な、日々の需給で空き部屋が極力出ないように調整されている感じですが、昨今の値上げラッシュなどを併せて想うと、身の回りのありとあらゆるモノやサービスが相場化しており、それにつれて各個人の一人一人に相場観が必要な時代に突入した観があります。

相場観というと、投資の世界の専売特許のように思われがちかも知れませんが、イラン情勢のような一つの事象がここまで影響を及ぼすとなると、何事に対してもある程度の先読みをする習慣を身に付け、それなりの行動に移すことが自分の身を守る一つの方法になり得そうです。

その点で投資を学ぶということは、投資が目的でなくても例えば、

ホルムズ海峡が閉鎖されるまでの一連のニュースは投資業界がいち早く事の重要性に着目していた可能性が高く、長期化する可能性も一般的な報道関係が確信を得る前に、世界中に張り巡らされた経済情報網からいち早く指摘されていたように思います。

こうした情報に触れる結果、世界情勢にアンテナを張ることができ、機関投資家など投資関係者の言動が知れるだけでも先読みする感覚が鍛えられ、一個人でも可能な対策をイメージできるだけでも価値はありますし、最後の高値を掴まなくて済む可能性もきっと出てくるでしょう。

「風が吹いたら桶屋が儲かる」という諺がありますが、こうした連想をする力は、相場化した現代において投資を学ぶのが近道だと思う次第です。

 
お仕舞いに、

今回のイラン問題に端を発した由来製品の品薄状態について専門家からは、個人の買い置き需要の増加が流通の目詰まりの一因との指摘もありますが、

個人的には、あらゆるサービスやモノが相場化する中で、個人ができる些細な防衛策としての買い置きはすべきだと思います。

そもそも、昔から言われているインフレからの防衛策として「金銭をモノに換える」ことは常識であり、転売が目的などの度を越した買いだめではない限り正当な手段です。

実際にこれまでも、値上げが継続的に行われるたびにモノの駆け込み需要はあったはずですが、世の中から例えばサラダ油やマヨネーズが姿を消したという例はあまり聞いた覚えはありませんし、

個人がゴミ袋を一生分、今買い溜める資金も場所も限られる中で、実際に起きている目詰まりは消費のもっと前段階の、それもかなり上流側で起きているような気がしています。

政府の焦りと上向いてきた好循環を「節約」という言葉で冷やしたくないという気持ちはお察ししますが、

原材料の確保は充分と繰り返し、現状を注視するという言葉をただ繰り返すよりはむしろ、目詰まりに対して具体的な行動を起こし、結果を報告し続けた方が消費者も安心でき、いち早く鎮静化できるのではないかと感じています。

 
 
浅野 敏郎
P.S.
今回は諸事情が重なり配信が遅くなりましたことをお詫びいたします。台風6号は少なくとも関東地方への影響は限定的だったように思いますが、皆様のご無事を祈念しています。

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