6月2回目の投稿です。
前回では開幕前だったサッカーWカップは正に大会中であるこのタイミングですが、盛り上がりを占う日本代表第一戦は辛くもドローで凌ぎ、先々への期待に繋がったことは喜ばしい限りです。
侍ジャパンにとってシンボル的な選手が次々と離脱し、強豪国を相手にスコアも先行される中でのドローは素晴らしい結果であり、何が起きても想定内とする森安代表監督のチーム創りには凄まじい準備があったと想像できます。
試合途中で負傷交代となった久保選手の状態が心配ですが、恐らく代表チームは最悪の事態を想定した新たな準備をしている真っ最中だと思われる一方で、既に準備していた幾つかの戦術は無効になっているのは確かですから、そのことを含めた応援をしていきたいと思います。

※NHK ONEのページ(https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015149851000)に掲載の写真をキャプチャー
さて、世界で活躍する日本人はスポーツ界に限った話ではありませんが、複数年に1度という瞬間に全てが掛かるのはスポーツ界特有だと思われる中で、よく言われるのが「準備が全て」という言葉です。
確かに「時間」で考えても、試合という限られた時間で結果が出てしまうスポーツでは、試合以外の時間は全て準備だと言えなくもないですが、以外の時間の過ごし方が重要だという事でしょうね。
この点で、投資や投機においても似たことが言えると以前にも述べた記憶がありますが、投資や投機をギャンブルと捉えないとした場合、準備とは相場を学ぶことになりそうです。
資金だけを準備して唐突に投資や投機に足を踏み入れる行為自体が正にギャンブルに似ている訳ですがギャンブルの場合、「終わり」は比較的短時間で自動的に訪れる一方で、投資や投機は「終わり」を自分で作らなければならず、それまでに掛かる時間も様々である点は明らかに異なります。
こう考えると、投資や投機をギャンブル化させないためには、どのようにエントリーするかも重要ながら、どのように終わらせるかもかなり重要であり、これらを学ぶことこそ「準備」に値するのだと考えます。
ところで昨日、日本銀行が重たい腰を上げてようやく利上げに踏み切りました。
マスコミたちはこぞって「1995年以来の金利」と報道していますが、ギャンブルではない投資や投機をあえて「正しい投資」と言うと、それは「準備を伴う投資」ですから、ここから少しだけ1995年当時の勉強を簡単にしてみましょう。

※Trading View社のチャートをベースに作成しました
こちらのTradingViewチャートは、日本の政策金利を赤で表示したものに、ドル円相場を緑、日経平均株価を青、NYダウ平均をオレンジで表示させたもので、垂直の破線で過去1%当時の位置を示しています。
赤い階段状の政策金利チャートをご覧いただければ分かるように、1995年の金利水準自体に特段の意味があるわけではなく、マスコミは単に事実を報道しているにすぎないと思われますが、
併せて青の日経平均株価をみるとお分りのように、時代はバブルが崩壊し中央は蔓延し始めた景気後退になんとか歯止めを掛けようと利下げを急いだ終盤に差し掛かっています。
つまり、ピークで6%に達していた本邦政策金利から下落途中の1%と、マイナス金利から脱却し平均株価も史上最高値を更新中の1%とは意味が全く異なることは理解した上で、緑のドル円相場が急落した1985年辺りを見てみましょう。
この急落はご存知の通り、プラザ合意に端を発した円の切り上げ時代ですが、同時に青い日経平均株価は急上昇してバブルを形成していた時代です。
興味深いのは政策金利が急落しており、一般的な理論とは逆行している側面がある訳ですがその背景として、為替は世界的なプレッシャーの元でどうにもならない一方で、円高による景気悪化を防ぐ狙いが利下げにあったとされています。
金利の急落は結果的にローン金利の低下につながり、住宅や自動車事情が急改善して景気は過熱し株価も続騰した結果、歯止めを掛けようと金利を急ぎ上げたことでバブルが崩壊したとも言われており、現に今の株価はバブル形成期を凌ぐ上昇をしている中でもなお利上げに慎重な中央の背景に、この苦い経験が伺えるとも言えそうですが、
日経平均が7万円を付けた現状は、株価を景気指標とするのであれば時代は超好景気なはずですが、一般人にとって実感がない現実には明らかに何かの構造変化があるのでしょう。
その詳しい要因などはエコノミストにお任せするとして、特に投資歴が長い方々に伺いたいのは、日経平均が7万円という時代に突入する中、積極的な売買はできておりますでしょうか?
と言うのも、チャートに戻ってオレンジ色のNYダウの、1986年過ぎに虫眼鏡のアイコンで囲った小さな下落を見ていただきたいのですが、何を隠そうこれが噂のブラックマンデーで、ダウは1日で22%の下落を記録しました。

※前出のTrading View社のチャートを再掲しました
数値でみると2500ドル前後から2000ドル前後へと500ドル強の下落だった訳ですが、値幅としての500ドル程度の変動は今や「まあまあ動いたね」程度のよくある話な中、今や52000ドルとなった指数での500ドルは1%にも届かない変動率になります。
更に考えると、今もし20%の急落があった場合、10400ドルの値下がりに匹敵することになり、実際の損益に直結する値幅は20倍もの違いになっており、騰落率で言うところの変動リスクはかつての20倍だという訳です。
日経平均で例えると、

※Trading View社のチャートをベースに作成しました
2020年のコロナショックでは、年初に23200円水準だった株価は3か月で18900円水準へと下げ、下落幅は4000円強で騰落率は17%の下落でしたが、直近のイランショックでは3月高値の59400円水準から僅か1か月で50500円水準へと下げ、下落幅は9000円弱とコロナショックを上回る下げ幅だったにも拘らず、騰落率は15%前後の下落と、コロナショックを下回っています。
それぞれの計算分母となる株価指数が大きくなっていますから当然の事な訳ですが、我々一般投資家は分子で戦っていることを忘れてはいけません。
さてさて、僅かひと昔前までは日経平均が1000円動けば恐怖心すら覚えましたが、今となっては僅か1.4%の変動にしかならず、例えばストップロスをマイナス1000円で考えた時、騰落率で考える1.4%では少な過ぎるという感覚です。
だとしても、ミニ先物(100倍)では今も昔も同じ10万円の損益となりレギュラーでは100万円の損益に相当する訳で、後半の冒頭で皆さんに伺ったのも、現状でももし無意識に従来通りの売買されているとすると、それはもしかするとギャンブル化してはいないか?という疑問が残ったからです。
確かに大きなリスクを覚悟しなければ今の列車には飛び乗れないのも事実ですが、個人的には最高時速に達していると考える株市場ですから、飛び乗った方も今から飛び乗る方も現在のリスクは過大である認識を持ち、降り何処を明確に意識すべき局面にあるように思います。
出来高推移をざっと見てみましたが、先細っている様子もなく、誰が買っているのかは判りませんが、その一因がもしAI取引だとすると、何を学習して買い進めているのか甚だ疑問であり、イグジットのパラメータ―が1年前と同じだとすればダメージは数倍になるハズです。
AI取引に任せておけばビビらなくて済むのは恐らく本音だと思いますが、せめてイグジットするルールは確認し、それが自分で許容できるかどうかくらいは今から準備しておいて悪いことはないでしょう。
浅野敏郎
P.S.
日経平均が上昇しはじめて間もないころ、ある投資家から「バブル高値を越えない限り揉み合いだ」というご意見をいただきました。決して間違いではなく、現にバブル高値の39000円水準を最後に上抜けた以降、僅か1年で70000円という価格を見た訳で、高値抜けは、これはこれで試合開始のゴングではありました。かの投資家も無事参入でき長年の我慢を取り戻せていることを祈念しています。そして、バブル以降の下落値幅は3万円強あった訳ですが、バブル高値にこの値幅を足した場合、7万円強になる点が個人的な危機感の所以です。DJIのように概ね等速で上昇する分には若干の安心感はありますが、日経平均は余りに速すぎる印象で、こうなる前に利上げをすべきだった点は、以前にも触れたように2025年は引っ張り過ぎたと思っています。住宅バブルは既に膨らんでおり、例え構造変化があったとしても、バブル期に利上げに転換した2.5%水準は視野に入れておきたい気がしています。