社員通信

2023年の投資行動は、より柔軟性が必要か!?

2022年も終わり、また新たな年を迎えました。
和暦だと令和5年ですかね!

どうぞ本年もよろしくお願い致します。

※SOZAI GOODさんのサイトから拝借 無料素材です

 
さて、皆様にとって
昨年の投資活動はいかがだったでしょうか。

マスコミも言っているように、
近代、稀に見る激動の1年だったことは確かですが、
主だった材料をかいつまむと、

ロシアによるウクライナ侵攻を皮切りに、
コモディティ市場が上昇した結果

コストインフレとも言える物価の上昇が全世界を覆い、
各国中央銀行が政策金利を引き上げる中、

唯一、日本銀行のみが金融緩和姿勢を貫いた結果、
日本円の先安観が協調されたことに加えて、

長引く有事懸念などから
基軸通貨の信頼度が世界的に見直されたことで
ドル需要が急激に強まり、
対円では特に激しいドル買い円売りとなりました。

これを受けて政府は過激な円安を冷ますために、
11年ぶりの為替介入に踏み切ったことで、
円のショートカバー(買戻し)が断続的に連続した結果、

2023年1月4日時点では、
円安スピードに匹敵する速度で円高が進行しています。

 
通貨ユーロは、
ウクライナ情勢で地政学的にも不利だったところに
コスト高の波にさらされて一時は、
対ドルの価値が1対1となるパリティを割り込みました。

イギリス・ポンドは、
かねてからの内政不安に加えて
世界的なコストインフレの影響が追い打ちとなり、
一時はデフォルトの危機にさらされるなど、
史上最安値を更新する値動きもありました。

 
ざっと振り返っても、これだけの材料があった訳ですが、
これらの要因を2022年初に予想すること自体
そもそも不可能でしたから、
2023年に関しても大同小異と考えた方が良さそうです。

だとするなら、
今回のタイトルにも記したように、
極めてニュートラルな投資行動がとれる
私たち一般投資家にできることは、

これから出てくるに違いない様々な材料に対して
柔軟に対応することが、自身を守ることにもつながるのだ、
と言うことです。

一般投資家がニュートラル…というのは例えば、

機関投資家だと
利回りを求めて常に投資先の買いを模索し続けねばならず、

輸出企業だと
常に円転(外貨を円に戻す)行動からは逃げられず、

輸入企業だと
常に円投(円で外貨を手当する)行動からは逃げられない、
といった事情に囚われていますが、

私たち一般投資家は、
何に投資すべきかが判らなければスクエアに、
そして投資の対象が、
買いとするなら買い、売りとするなら売ることが、
いつでも自由に選択できるという点がニュートラル
だという訳ですね。

そして・・・
私たちは、様々な投資対象の中から
何を選択して、どのように行動するのが妥当かが
判断できるようになるために、

投資を勉強し、情報を集め、
その信頼性を諸先生と照合するような行動が、
今年は一層求められるのではないでしょうか。

ただし、ここであえて一言付け加えると、
いくら先生でも間違うこともある・・・という点、
ご理解くださいね。

 
では柔軟な行動とは何か?
ということですが、
具体的にお示しするのは本当に難しいのです(悩)。

 
例え話になるかどうかですが、為替で言えば、

2022年の円安ドル高はある意味で
色々な要因が一方向に向いたことで、
私たち一般投資家にとっては、
非常に理解しやすい地合いだったと思います。

特に日米金利差が拡大し、記録的な日本の貿易赤字
を計上し続ける地合いで、
まず円高になる要素は皆無だとも言えました。

 
確かに政府介入以降は急激な円高になっており、
一時的にしても、
日本経済にとっては一息つける状況ですが、

円安要因は今のところ何一つ改善されていない中で
日本の政府予算でさえ悪化の一途を辿りそうですし、

また、台湾を巡っての対中国や、北の核問題による
地政学リスクは、高まることはあっても、
解消されるには暫く時間がかかるでしょうから、

現時点での私見としては、
運用コストもかさむ円高のシナリオは、
遅かれ早かれ破綻する可能性が高い
と言わざるを得ません。

 
その中で唯一円高になるとすれば、
それはドル安にほかならず、円高継続派であれば
これまでのようなアメリカのインフレ指標ではなく、

在庫や売り上げ、消費信頼感やPMI、住宅関連指標など
景気指標に注目してみると良いかもしれませんね。

つまり、アメリカのリセッションが現実になるかどうか
を見極めたいというところです。

 
いずれにしても、
ヘッジファンドなどは次の市場や相場を見据えて
マスコミなどを駆使しながら地道に投資家心理を築き、
その群集心理を巧みに利用してきますので、

2022年の大相場が一段落した矢先でもある、
2023年の滑り出しは特に、
偏り過ぎた相場観は暫く保留しつつ

うさぎのように、すばしっこく
ぴょんぴょんと右や左に跳び回るような投資行動と、

良い意味(利益を伸ばす)でも悪い意味(損切しない)でも、
深追いはしないことが『柔軟な対応』
ということになりそうです。

 
 
浅野敏郎

P.S.
この2日間で、今度は激しい戻しを見せています。
ボトム(底)を叩いたのかどうかを見極めるフェーズに思います。
諦めずに頑張って参りましょう!(←と自分にも言い聞かせています)

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