社員通信

結局、金持ちが投資に勝つ

相場の世界に長くいると、
このようなフレーズをよく耳にするのですが、
その真意はどうなのか?

当初、職場の先輩に教わった教えによれば

「相場で押しや戻しなどの調整が入ったとき、
資金に余裕がある投資家はこうした逆行を
耐えることができるが、

余裕が無い人は損切りを重ねてしまい、
結局は損切貧乏になってしまうことだ」

という記憶があるのですが、

その後、私が知る限りでは決まった解釈はなく、
要するに各個人が失敗した際の成功者に抱く
一種の羨望や妬みを表現した言葉である可能性が高く、

よって、その真意は人によって千差万別なのでしょう。

ただ、最近の個人的な真意への解釈として先ずは、

先輩からの教えだけでは恐らく、
破綻しやすいパターンに似ている気がしています。

 
ところで、少し前のTV番組で
ある投資家の株式投資の極意について特集されていました。

この番組は、タレントのカズレーサーさんがMCとなって
様々な分野における先端技術や現状への理解を
現場の人間や有識者などと一緒に
ブラッシュアップする内容で、

普段はかなり科学的なテーマが多い中、
投資がテーマなのは意外だったので視聴してみました。


※日テレの過去番組紹介ページ(https://www.ntv.co.jp/kazu/articles/31157b01lkvlvmigqo51.html#cxrecs_s)をキャプチャー

 
何でもこの投資家テスタ氏(日本人です)は
300万円の資金を主に株式市場でコツコツと増やし、

直近2023年の上半期には、
50億円の資金を90億円にまで増やしたそうなのです。

極意をかいつまむと
基本はファンダメンタルズだったのですが、

世の中の微妙な流れや方向転換を察知して
いち早く関連銘柄に投資するという内容で、

一言で言い放ってしまえば
「風が吹けば桶屋が儲かる」的な発想なのですが、
その関連性は良く調べられているという印象でした。

投資歴はそれほど長くは無かったと記憶していますが、
皆さんも恐らく気になっていることは、

どうやって300万円の資金を
とりあえずは50億にできたか?

ということではないでしょうか。

 
残念ながらこの部分はあまり明らかにはされませんでしたが
彼の投資スタイルで深く同意した点が1つありました。

恐らく資金を大きくできた勝因に直結している話だと
思いますがそれは何かと言うと…、

彼はコツコツ増やした資金を
いつか来るだろうビッグチャンスに大きくつぎ込む準備を
前々からしていたのだそうです。

一つの代表的なチャンスとは、いわゆるアベノミクスの起点
だったことは述べていらしたのですが、

相場に投資することで大きく資金を増やした方々に
共通することは、
一度や二度は大勝負に出ている場面があるということです。
(そういえば、証券会社の発注ミスで
値がさ株を二足三文で大量に買えたことが
億トレーダーへのキッカケだったという投資家が、
かつてはもてはやされましたが、明らかにそれとは違います。)

とはいえ、
最初の300万円が、少なくとも昨年末時点で1660倍の
50億円になっていたわけですから、
アベノミクスだけでここまでの利益を出したとは考えにくい
事ではありますが、

言い換えてみると、
どんな相場でも、投下資金や利益幅が同じだと
収益額の伸びも所詮、その範囲でしかない…と言えそうです。

 
さて、
彼の成功は、秀でた洞察力とファンダメンタルズの着眼点
だと感じましたが、

ロスカットなどアゲンスト相場
(ポジションが不利な方向へ進んでいる状態)
への対処は極めてオーソドックスでした。

恐らく読者の皆様ならご存知のような内容でしたが、
それらを冷静に順守できるかどうか、
そうした能力も、きっと彼は突出しているのでしょうね。

 
そしてそして、
僅か半年で50億から90億へと
40億円もの利益を上乗せできたことになり、
1個人として確かにその額は巨額ではありますが、

ただ理屈としては
5万円の資金を半年で9万円に増やした…
のと同じわけです。

事実、資金を2倍に増やすことは大変ですから
両方とも素晴らしい結果ではありますが、

同じ利益率という結果を残したところで、
実額利益の4万円と40億円の間に
39億9996万円もの差がついた理由は

当然ながら、年初の時点で元手資金にあった
5万円と50億円という10万倍の違いが、
これだけの差を生んだことになります。

 
本日のタイトルに掲げたように
結局、大きな利益を得るためには
大きな資金が必要なのは世の常

というところに落ち着きそうではありますが、
何れにしても、300万円の資金がいきなり
90億円になるなどの幻想は

抱かないようにお願いします。

 
 
浅野敏郎

P.S.
最後に残る問題としては、
巨額な投資を行って精神的に平静でいられるか?
というメンタルが問われます。

ただ、先の投資家も当初は勝ち負けを繰り返しながら
コツコツと積み上げていたように、
そのうちに数字の桁には慣れていくものだと思います。

まだ、投資に一歩も踏み出せていない方々に於かれては、
2024年こそ、先ずは5万円を10万円とか、
50万円を100万円にするような目標を立て

一撃で2倍を目指すような博打や
たまたまそうなったような偶然性に頼るのではなく、

自身の信念となるルールに則って勝ち負けを繰り返しながら
先ずは、達成すべくもがいてみる…
というプランを実行してみてはいかがでしょうか。

2024年が幸運な年となるよう祈念して
2023年の締めくくりとさせていただきます。
どうぞ素敵な新年をお迎えください。

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