1月2回目の投稿です。
本年最初の前号では、ユーラシアグループが発表した世界の10大リスクレポートをご紹介しましたが、それから僅か半月が経つか経たないかの内に、その中の幾つかのリスクが急激に芽吹き始めているように感じます。
かのレポートが配信された当日の5日、リスク4として解説があった「包囲される欧州」に刺激されたのか、昨年末まで強く推移していたユーロ相場が謎の下ヒゲを付ける値動きがあり、
以降はさえない欧州市場を背景に下値を探る展開だった中で、トランプ氏のグリーンランド購入発言に端を発した「批判的な国への追加関税発言」などを受けて、今週初はギャップダウンにより1.1580前後の本年最安値で寄り付くと下値を探ることなく強めに反転

※BBC NEWS JAPANのWEBサイトでトランプ氏の発言に対するデンマークの対応を伝えるニュースページ(https://www.bbc.com/japanese/articles/c70ljrew5g9o)よりキャプチャー、当該記事とニュースページの内容とは無関係です
昨日にかけては欧州目線から米国目線に注目が移ったのか、逆にドル安、債券安、株安と米国売りが一段と強まり、ここ最近のユーロドルでは稀な急騰を演じるなど、混沌とした年始相場になっています。
米国売りについては先のレポートの最後の方で、リスクではないものの「米国売り」として掲げており、今のところはレポート内容に反して市場は嫌気が先行している形です(レポートでは流動性や市場規模では、消去法でも米国市場が選択されない可能性は低いと記されています)。
昨日のニュースでは、グリーンランドを領有しているデンマークが、年金基金の米債投資から撤退したとの報道もありましたから、米債を売り払って得たドルでユーロを買い戻し、下落した債券の利回りが上昇したことを嫌気した株式市場が下落したことで、トリプル安を誘発したとも考えられます。
報道と値動きとは時間的にズレがあるものの、月曜日の欧州市場は開いており、もしかすると当該ファンドの何らかの動きが既に察知されていた可能性は十分あり、現に米国市場が休場だった月曜日のうちから、米債の利回り上昇や米株のインデックス先物が下落するなど、不思議に思った記憶はあります。
テクニカル的にユーロドルは、この2日間の上昇で以前の13日間分の下落幅を取り戻しており、明らかに上昇有利な展開ではありますが、年末年始の下落波動が当面の基準になりますから、相場はまだ始まったばかりだという点でも慎重に行きたいところです。
そんな中で昨日、トランプ氏の訪中が模索されている中国の高官から「米中の関係は維持される」といった歓迎的ニュアンスの発言があり、これもかのレポートのコラム5で指摘している「米中デタントは維持される」と正に合致する(デタントとは二国間の柔和、緊張緩和などの意味があります)訳ですが、
と考えると、本当にグリーンランドを買うのかどうかは別としても、アメリカはロシアに対して北から圧力を掛けることに集中でき、南はデンマークを含むEU及びNATOに任せることで、ウクライナ戦争の早期終結を目指しているのが本当の狙いなのかも知れない…ですね?!
一方で国内に目を向けると、既にご存知のように高市総理が衆院解散総選挙に打って出るなど変化・転換の一歩を踏み出しました。
急であることは間違いないですし、北国では積雪の影響が危惧されていることに加え、受験シーズンということもあり、総理支持率を底上げしているとされる10代有権者が投票に行きにくいことも考えられます。
また、高市総理や一部内閣は支持できても、裏金問題がクリアになっていない自民党への信頼につながるかどうかは甚だ疑問であり、各地の自民候補への票集めには直結しない気もします。
万が一にも、単独過半数になれば、ここまでの変化・変革の流れが弱くなりそうでそれも回避したいですし、連立で過半数を割るようなことにもなれば、高市氏そのものが危うい上にスピード感を失いそうでそれも回避したいですね。
となると、野党の構成比はさて置いても、現職に投票しておけば少なくとも現状は維持されるとも言えますから、個人的には絶妙なバランスにある現状とあまり大きな変化はない気がしています。
確かに、それでは変化・転換の年ではなくなりますが、既にある程度の変化が生じているのは事実で、このまま高市氏には走ってもらい有言実行していただくだけで、結果的に変化・転換の年になるのではないかと考えていますが、
皆さんはどう思われますか?
何れにしても、高市氏続投に対して陰りが出るような公示期間や結果になれば株価下落は否めない点や、投票会場の都合で開票に遅れが出るなど急いだが故の懸念も指摘されており、
2月8日を挟む週末は、いつも以上にリスク度が高くなるのは当然であることに加えて、それを見据えた調整や仕込みなどで月末月初は波乱含みが予想されるなど、少々「じゃじゃ馬」化しそうな相場の背中から振り落とされないように、皆で上手く乗りこなしましょうね。
浅野 敏郎
P.S.
本日のダボス会議(世界経済フォーラム)でトランプ氏が演説する予定で、その内容に注目が集まっています。他にも今月後半は日銀の金融政策決定会合結果が23日、FRBのFOMCが28日に、2月前半は米・雇用統計や衆院選投開票が予定されるなど重要なイベントが集中しますので、気が抜けない日々が暫く続く覚悟が必要です。