社員通信

10月3日のドル円急落と今後への備忘録

昨夜の10月3日、日本時間23:11頃、
少し前の23:00に発表された米JOLTSの数字が強気
を示したことから、

一時150円台に乗せていたドル円相場が
僅か30秒足らずで147.30円前後に近づく急落を演じました。

※TraingViewの10秒足

一応JOLTSに注目していたので、
発表から数分ほど観察していましたが、

150円に乗せてからの値動きは予想よりも緩慢でしたので
介入は無いかな?…と思い、少し目を離していた間に

最安値を付けた後の戻り相場で既に148円台後半だったことで
当初は介入か??と思ったのは事実です。

 
そもそも円買い介入への警戒感は、ここ暫く騒がれており、
限がよい数字だということもあってか、
150円という見方が多かったことで
私の中にも先入観がありました。

介入であれば、そろそろ反発を押さえに来ると考え、
148円台後半を売ってみたのですが、

その後の下押しもコスト内外で止まってしまったため
実は介入ではないかも…と思い始めていました。

 
直後のニュースに流れていたエコノミストらのコメントも
見方は半信半疑でしたが、
今朝方のニュースでは介入否定派が多く見られましたね。

どちらにしても、今更ながら介入の真実を追求しても
仕方ないですが、
同日の19:20付けで、渡辺元財務官の発言として
「民間資金が動かないと介入は成功しない…」
というニュースが流れてきました。

以降、民間資金は何を指すのかずっと気になっていたのですが
確かに、日本のFX市場の出来高やポジションは毎日、
金融庁への報告義務があり、

今や国内外為市場出来高の大多数のシェアがあることから
ポジションを把握することは可能か…と、
違和感があったこの要人発言に対して
非常に引っ掛かっていましたが、

・GPIFの資金も民間資金であること
・JOLT発表後、30分間で平均的な額の25倍強の先物取引があった
(Bloombergニュース)
・強烈な戻し以降の値動で政府が頭を押さえる気配は皆無
・下値は見事に日足一目均衡表の基準線で止まっている

ことから、

「もしかすると最初の一撃はGPIFなど政府系ファンドを通じ
ステルス介入をしたかもしれないが、

150円台に乗せた以降の値動きが重かったことから
ロング筋の途転やストップを巻き込み急落した後、

147円台中盤辺りから途転のショートを買戻し
乗っかって売り込んでいた筋のショートカバーが
強烈に入った」

というところだと個人的に推測しています。

 
さて、雑音を読まされた読者へのお詫びに、
同じく個人的な対処法にはなりますが、
このような乱高下後の相場判断を簡単に記します。


チャートは時間足で、
表示してるインジケーターは一目均衡表です。

長い下ヒゲ陰線が3日の乱高下を指しています。
今後の相場は当然ですが、
この足の高値・安値をどちらかに抜けない限り、
大きくは揉み合いを意味します。

その状態で現状が強気なのか弱気なのかを測るには
この大幅なレンジの半値が基準になります。

つまり
現在時点の相場は既に半値以上で推移できており、
強気は維持できています。

しかも
以降に下押しした安値は基準線、
つまり大幅なレンジの半値で止まっており、
特別なイベントが出てこない限りは、
強気有利を証明した形です。

その後現状に至るまでの戻り相場がどこまで戻るかの
判断は難しいところですが、
その戻り高値を付ける波動の半値が次の押しの目安になります。

何れにしても3日の高値安値を抜くには
暫くは時間を要する話なので、

ここは焦らずに騰落の様子を観察しながら
上半分で高値揉み合いを継続できれば
いよいよ、高値抜けという機会が出てくると考えます。

危惧されるイベントとして
・混迷を極めるアメリカの財政問題
・中国の不動産危機連鎖
辺りに注目しています。

 
 
浅野敏郎

P.S
JOLTSとは(Job Openings and Labor Turnover Survey)
の頭文字で、日本語では求人労働異動調査というのが一般的なようです。
詳細は財務省のレポート
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202202/202202p.pdf
にあります。
各種あるアメリカの雇用に関する経済指標の解説もありますので
興味がある方は覗いてみてください。

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