社員通信

ドル円相場の潮目は変わったか

9月二回目の寄稿ですが、変な天気が続いていますね。

関東地方は先日の月曜日、久しぶりに太陽を拝めましたが、それまで9月はずっと曇りか雨だったらしく、おかげでかなり涼しい気候だった一方で、

各地では相変わらず想定外の豪雨に見舞われるなど明日は我が身と考えると、気候のみならず心情までが不安定になりがちです。

地域によっては今後、日照不足や豪雨の影響で農作物への影響が心配されており、徐々にメディアでも取り上げられています。

 
数少ない明るい話題として、今月からアジア大会が愛知で開催され、日本代表選手らの活躍が期待されますが、心配なのは不安定な気候でせっかくの大会が妨害されることです。

出来れば素晴らしいコンディションで競えるのが理想ではあるものの、せめて災害などに至らないことを願っています。

※アジア競技大会の公式サイト(https://www.aichi-nagoya2026.org/ja/)のTOPページをキャプチャー
大会のスケジュールを確認するために公式サイトにアクセスしてみたのですが、カウントダウンが指す大会初日は、開会式が予定されている19日になっている一方、

既にグループ予選などは始まっているようですから、お気に入りの種目があれば要チェックで、早速今夜にはサッカーの日本戦が組まれているようです。

そんな中、一時は懸念材料だった「北」の入国問題も禁止には至らなかった模様ですが一体、どんな国々が参加するのか気になって調べたところ、

個人的には複雑な思いを抱かずにはいられませんでした。

※アジア競技大会の公式サイトの参加国ページ(https://www.aichi-nagoya2026.org/ja/participating-nocs/)の一部をキャプチャー
スポーツに政治を持ち込まないという理念は充分に理解できますが逆に、平和の象徴でもあるスポーツ大会に選手団を送り込む国家は、それをもって平和宣言とするくらいの意思を携えて選手を送り出していただきたいものです。

 
さて相場の方ですが、

前回寄稿の9月2日に出現した陰線を皮切りに、ドル円相場は想定外の急落となり、僅かこの2週間で5円以上の円高を演じた後も下値揉み合いを継続しています。

何が想定外だったかは前回記事をお読みいただければわかりますが、

※TradingViewチャートをベースに作成 前回号の日足チャートを再掲
当時の遅行スパンの目前には、直近の介入で急落した相場が幅広く行く手を遮っており、多少の変動でも急落相場を横切って好転する、と見るのが順当だったところ、

実際は好転を嫌い、見事に急落して好転を回避しきった点にあります。

直近のこの急落は円ショートの巻き戻しという理解が一般的ですが、今回はその結果がもたらした相場のインパクトについて考察したいと思います。

 
先ず月足から

※TradingViewチャートをベースに作成 水色のラインは転換線、赤いラインは基準線、後ろにずれた緑の線は遅行スパン
9月初時点で転換線(水色)の上に出ていた相場はこの度の急落で、再度転換線を割り込んでいます。

転換線の対象高値は、

暫く7月高値で決まっている一方で、対象安値は26年1月安値ですが、安値側は来月に対象から外れるものの、2月安値が近似値で控えており、

これらの152.00円水準をしっかり割り込まない限り、能動的な下落もあり得ないことに加えて、

9月安値も既に1月安値に約80pipsまで迫っていることから受動的な下落も限定的であり、

ここまでの2026年レンジ内で推移する限り、転換線は現在の158円水準(上昇しても約158.40円)で暫く水平推移することが分かっています。

一方の基準線ですが、

同じく対象高値が7月足で決まっている中で、安値側も24年安値が外れても25年安値が近似値に居るため、暫くは受動的な変動も望めない状況に加えて、

現在の152円水準は、2022年介入時の高値に該当し、以降の相場のキーレベルにもなっている事も考慮すると、

今後の相場をザックリと占えば、均衡表二線の間である152円~158円での揉み合いと見るのが順当です。

遅行スパンを見てみると、

急落したにも関わらず一応は好転に戻った一方で、やや変形した三尊構成を下抜けたことで、この2つの材料は相反関係にもあり、方向が出にくい状況を示唆しているようにも思えます。

個人的には、今回の下落で下値確認ができた時点で、想定レンジの上値に向けてじり高に推移する可能性を感じています。

 
次に週足で戻しのヒントなどを探してみますと、

※TradingViewチャートをベースに作成
先週の急落によって、転換線と基準線は共に対象安値を更新したことで、能動下落になりましたが、対象の高値安値が共通していることで同時線で推移しています。

ただし、2週間後には介入陰線が転換線の対象から外れて大きく下落することになりますから、この二線に関しては逆転が必至となります。

実勢相場はというと、既に価格は先行スパンの中に入り込み、現在はスパン上限を確認している状況に見えますが、上限裏にはGW介入時の下値や協調介入時の下値が控えており、それなりの重力が働きますから、

越えられずに上値確認が終了した場合、次は下値の再確認というシナリオが浮かびます。

遅行スパンに目を向けると、

既に逆転をした中で、下値は当時の基準線でどうにか収まっており、ギリギリ踏み留まっています。

月足で想定したレンジを落とし込んだ場合、上値側は158.43円の基準線が想定レンジの上限と近似値である一方、下値側の152円水準は意外とキーレベル感に乏しい印象があり、

近視眼的な向きからすると、年初安値が割れた場合はもう一段の下値を狙う動きをしかねないようにも見えます。

近いところでの注目点は、
実勢が先行スパンの上に出られるかどうか
遅行スパンと当時の均衡表二線との攻防
今後下落する転換線と実勢相場の反応
など、神経質なポイントが多くありそうです。

 
最後に日足ですが、

※TradingViewチャートをベースに作成
三役は完全に逆転し、特に9月の下落で対象安値を付けたばかりの均衡表二線は、安値を更新するごとに下落する「能動下落」の局面が訪れています。

転換線はあと数日、

受動的に下落できる地合いにあり、実勢の上値を抑えにかかる可能性がある一方で、下値側は年初の安値を除くと、素のチャートには何の障壁も確認できない状態です。

基準線は、

9月レンジの間で層が推移する限り、暫くはこのまま156.64円水準で水平移動しますが、実勢相場が安値を更新するごとに、いつでも下落できる状況にあることは前述通りです。

また一般的な波動構成を見ても、

既に重要な高値安値を共に切り下げる形を完成したことで、約2年がかりの上昇波動が初めて否定された格好です。

月足で想定した今後のレンジを日足に落とし込んでも、上値側には少しずつ材料が見え始めている一方で、下値側はそれなりにさかのぼらない限り、底なし状況であることは事実です。

ここで念のために、介入下落から9月下落起点までを二波動構成とする下値計算値を出しておきます。
V値:150.005
N値:151.632
E値:146.464
(第二波動の高値は第一波動の半値を越えているため、NT値は第一波動安値を下回らないので省略します)

 
ではお仕舞いに、

今週の残りは中銀WEEKとなり、FRB(17日未明)、BOE(17日夜)、BOJ(18日正午前後)の政策金利が発表されます。

BOEは据え置き予想が主流である一方、日米はご存知の通り25bpsの同時利上げが織り込まれています。

日米金利差が同じ以上はインパクトは限定的という見方がある一方で、利上げ余地を考えると、利上げ後は日本が1.25%、アメリカが4.0%(上限)となり、日本の方が大きい点が、昨今の円ショートカバーの一因とも言われています。

実際、直近のIMMポジションの円はこれまで長きにわたってショートだったネットが僅かにロングに転じており、

それが仮にオーバーシュートだったとしても、明らかに一つのフェーズは終了したとみる方が無難なのかも知れず、金利発表後の定例記者会見の内容に益々注目が集まるでしょう。

少なくとも現状の米国金利市場の状況は、利上げ見込みをあざ笑うように急騰しており、2年債の利回りは既に先月の10年債利回り水準に達している状況は、やがて日本市場にも伝播するはずであり、両国の金融当局は今、慌てていることは間違いありません。

何れにしてもこの金利急騰は一体、良い上昇なのか悪い上昇なのかの審判が問われていますから、シルバーウイーク前の中銀WEEKという試練を、皆さんで乗り越えましょう!

 
 
浅野 敏郎

『当記事には、投資の売買を推奨する意図はありません。また、当記事独自の内容や数値の転用・転載等は「投資の学校プレミアム」の同意または出典の記載なく、再利用することをいかなる当事者に対しても認めていません。』

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