今回は10月の2回目となる投稿になりますが、月初の2日早朝にお届けした1回目の時点では、
その前週末9月27日の金曜日に投下された、まさかの石破ショック第一弾によって、146円台中盤まで上昇していたドル円相場はわずか数分で暴落し、
4円半も下の142円ちょうど辺りの安値で引けた週末が明けて間もなくだったこともあり、まだまだ相場の方向感は定まっていなかったと思います。
その間、就任前の猫ダマシ解散宣言などもあって世界中が大混乱していた中、
投稿後の同日2日には、タブーとも言える日銀の金融政策に触れた石破ショック第二弾が発射され、143円台中盤から146円台中盤へと3円も暴騰するきっかけを作りました。
第二弾は、新政権誕生を控えて本邦の株式市場も暴落したことで焦りがあったのかも知れませんが、日本の政権が要因でここまで為替が短期で動いた記憶は過去にも無く、延べ7.5円の乱高下で個人的には「どっ白け」でした。
※出処はあの「いらすとや」さんです、いつもお世話になっております
とはいえ昨日15日には選挙の公示が行われたこともあり、批判的なことも言えないことから、あえて口を塞ぎますが、
相場はその後、アメリカ雇用統計が強い内容となったことや、FRB高官による利下げを急がない旨の発言により長期金利が一段と上昇し、150円間近までドルが買われるなど、この約半月で8円以上の円安はそれなりに急激な動きでしたが、
依然としてボラティリティが高いドル円相場において、短期間で10円前後の変動ならもはや普通と考えるべきなのでしょうかね。
それにしても、僅か一瞬のイベントを逃すと二度とチャンスが無いハイボラ相場は違和感でしかなく、これもAIトレードが一因とするなら厄介な話しではあります。
さて愚痴はこの辺までとして、
早期ビックリ解散による衆院総選挙の開票日は既に、10月27日に決まっています。
そしてその翌週の連休明けとなる11月5日は本年のクライマックスと言えるアメリカの大統領選挙があり、結果は日本時間6日の早朝辺りに判明する感じになるでしょう。
皆様はどのように予想されますか??
現バイデン大統領の再出馬から始まり、引退表明でハリス候補に交代し、知名度の問題で一時、トランプ候補が抜きんでたと思ったら今や大接戦と、予想は難しいというよりもする意味が無い…のかも知れませんが、
そもそも論として、バイデン氏の高齢問題が無かった場合は再選が順当視されていたことを考えると結果は明白な気もしており、現に彼の任期中の米国経済はドル円相場を見ても分かるように非常に強かった事実から民主党を替える意義に乏しい側面はあるでしょう。
相場に関わっている私としてそれ以上に問題なのは、誰になるかというよりはドルの行方に掛かっている訳ですが個人的には、
ハリス氏になった場合、既に言われているように目新し感はあまり無い代わりに問題も思い浮かびにくい一方で、
トランプ氏のことを考えると問題点が数多く思いつきます。
対中戦略が再び厳しくなる点は承知の上として、問題は対中に限らず貿易不均衡が認められる相手には同じような対応をすることは容易に想像がつき、様々な国々と対立する可能性があります。
もし今まで通り関税という手段を選んだ場合、米国内で収まりつつあるインフレが再燃する可能性が高いとも言われており、悪いドル安金利高が懸念されるところです。
また、イスラエル問題については勝手にエルサレムをイスラエルの首都と宣言した過去の経緯からも、親ユダヤ色が強いことで知られている中、中東は益々不安定になることが予想できますし、
米国内への対策も、地球温暖化説は科学者の陰謀とまで言い切った経緯もある中、古き良き時代の再現はもはや時代遅れであることを悟るべきでしょう。
何れにしても、目に見えている問題が顕著にならないためには、少なくともトランプ氏は選べないという結論が常識的かも知れず、その選択の延長線上にはやはり現在の強いドルが暫く続くかと考えます。
ただ対日本で考えた場合、日銀の金融政策健全化傾向はインフレが続く限り消えない点は、ドル高円安一辺倒にはなりにくいはずですから結局、日本の新内閣が行うべきキーポイントは、明らかなコストインフレへの対策という問題に戻ってくるように思えます。
そう考えると例えば、
1985年以降の円高時代と、2012年以降の円安時代の両方を体験した自分にとってどちらが良かったかと言えば、円高時代だったという印象があります。
もちろん、個人的な生活の地合いや社会や国際環境は同じではありませんので比較は難しいのですが、当時は学生のアルバイトですら2年も継続していれば時給は100円近く上昇しましたし、円高であらゆるモノがドンドン安くなる時代でしたから、実質賃金はかなりの上昇だったはずです。
まあ、そこで余った金銭が株や土地に向かったためにバブルを起こしてしまったわけですが、使う金銭は限られた中でモノがドンドン高くなる今よりも対処の仕方はありました。
そこで今世間では、ならば使える金銭を増やせばよいとばかりに、強制的に時給などの給与を引き上げることが目的になっていますが、出せないことが本当ならばそれ以上出せないわけですから、それも少し話が違うでしょう。
輸出企業にしても原材料費の高騰は利益率を圧迫するはずですし、飲食などの小売りも含めた輸入関連は大打撃を受けている点を考慮すれば、急激な円安はやはり日本にとって良くないのは確かで、かつて世界が寄ってたかって円高にもっていった根拠となる円安=貿易黒字の構図は今や跡形もないことで証明されています。
どうすれば貿易黒字に転換し維持できるかが、介入でも利上げでもない現時点での唯一の円安対策に思え、それこそ政府にしかできない事なのではと思う今日この頃です。
浅野 敏郎
P.S.
11月の初回投稿は「The 大統領選結果発表中」だと思うと少し頭が痛く、申し訳ないですが『しらっ』と浅い話でかわすしかないか??と思案しております。